東大ロー入試の結果発表
こんばんは、アポロです。
12月4日の13:00に東大ロー入試の結果が出ました。
結果は、合格でした。
そして、先ほど【筆記試験の得点】も送られてきたので、以下にそれを載せます。
後述のように、民事で派手にやらかしたので、不合格でも文句は言えないと思ってました。なので、点数はさておき、合格していて良かったです。なお、これで私が慶應ローに進学する可能性はなくなりました。全額免除のローを蹴るのはもったいないですが、慶應は4年間満喫したので、進学するなら東大にします。
参考までに、GPAは3.7、TOEICは970点です。志望理由は無難な内容で、一応ゼミ教授の推薦状も添付しました。これらも踏まえると、かなり上位の合格だと思われます。
各科目の再現答案は伊藤塾に提出したので、ここに載せることはできません。なので、ここでは各科目の雑感についてだけ書きます。
〜公法(74点)〜
・行政法…仮の義務付けの当てはめ。要件の規範らしきものを示して、三段論法できますアピール。後はひたすら事情を拾い、結論としては肯定した。おそらく皆同じようなことを書くので、この設問では差がついてないと思う。
・憲法…泉佐野事件の判例射程問題。個人的に好きな論点であり、自信もあったので、とにかく事実を拾いまくった。行政法は0.5頁くらいに押さえて、残り1.5頁を最後の行まで書いた。終わった後は、ぶっちぎりで書けたと思った。
・80点は超えると思っていたが、そんなに甘くなかった。出題趣旨が出ないこともあり、なぜ得点が伸び悩んだのかはわからない。おそらく、行政法が薄すぎたのと、憲法の理解の甘さが随所に現れていたのだと思う。やはり、公法はよくわからない。
〜民事(70点)〜
・前提として、私はとんでもないミスをしている。なんと、答案用紙の裏面を上下逆に書いたのだ。最後の行まで書き、「以上」と書いたところでこれに気づいた。その時、既に試験終了30秒前だった。どう修正して良いかもわからず、結局そのまま提出した。なので、「裏面は0点でも文句は言えないな〜」と思い、帰ろうかとも思った。ただ、友達には「それくらいのミスなら採点されると思う」と言われたので、一応刑事まで受けた。この時点で「俺にはまだ予備試験がある」「俺には慶應ロー(全免)がある」と考え、東大ローはどうでもよくなっていた。そのため、刑事の答案は、マス目無視しまくった上にかなり汚い字で書き殴った(採点者の方、ごめんなさい笑)。来年以降東大ローを受験する方がいれば、答案の表と裏で上下が逆なので、マジで注意して下さい。私は結果的に裏面も採点されたようですが、受験後の精神的ショックは大きいです笑。
・民法…まさかの法定地上権。とりあえず388条の要件に当てはめつつ、全体価値考慮説らしき論証を展開した。前段は成立しない、後段は成立するという結論にしたが、理由付けはテキトー。論証も普通に間違っていたので、かなり低評価だと思う(未だによくわかってない)。
・民訴…まさかの擬制自白。とりあえず条文を引き、丁寧に自白の内容を説明した。「擬制自白は拘束力がない」と不正確に理解していたため、当事者拘束力だけでなく、裁判所拘束力まで否定してしまった。不正確な知識による明確な間違いなので、低評価だと思う。
・商法…利益相反取引の典型的な問題。民事で唯一自信のある設問だったので、約0.8頁使って書いた(民法も約0.8頁・民訴は約0.4頁)。多くの受験生が普通に書いてくる設問だと思ったので、とにかく丁寧に書いた。この設問単体では高評価だと思う。
・裏面が採点されることを前提としても、60点前後だと思った。なので、70点もついたことに驚いた。法定地上権・擬制自白は受験生全体の出来が悪く、結果的に利益相反取引の出来で勝負がついたのかもしれない。なので、商法を厚く書いた作戦は正解だったと思われる。
〜刑事(83.5点)〜
・刑法…過去問5年分と比較しても難しかった。受験生が引っ掛かりそうな落とし穴・論理矛盾を起こしそうなポイントがいくつかあった。何とかこれらを全て回避し、ほぼ正解筋で書けたと思う。
・刑訴…刑法で約1.5頁使ってしまい(「他人所有非現住建造物放火未遂罪」という長い罪名を何回も書いたので笑)、約0.5頁しか残されてなかった。そのため、マス目を無視しつつ、本当に必要最小限の内容だけ書いた。もう少しまともな事実認定をしたかった…。
・比較的難しい問題でも解答筋を外さなかったこと・終始論理的に書けたことから、80点は超えると思った。結果的に83.5点だったので、3科目の中で唯一手応えと結果が一致していた。刑法をもう少しコンパクトに書けば、刑訴の事実認定が充実し、もっと点数が伸びたと思う。
〜全体〜
・公法は守り抜き、民事で失敗し、刑事で挽回した。
・最後まで諦めないことが大切だということを学んだ。
こんな感じですかね〜。東大ロー合格は素直に嬉しいですが、予備試験に合格した場合には進学しないです。ただ、予備論文合格発表まで1ヶ月以上もある現時点において、東大ローに合格できたことは精神衛生上かなり良いと感じています。なぜなら、①「東大ローに受かったなら予備論文にも受かっているのでは?」という気持ちになれることに加えて、②「万が一予備試験に落ちても東大ローに進学できる」という気持ちになれるからです。東大ローに落ちていた場合、残り1ヶ月以上がかなり辛かった気がします…。
また、慶應ロー入試・予備論文・東大ロー入試を通じて、自分の得意科目・苦手科目がハッキリわかった気がします。具体的な感触は以下の通りです(東大ロー以外はあくまで主観)。
・予備論文…◎刑法・刑訴・民法、◯憲法・行政法、△民訴、×商法
・東大ロー…◎商法・刑法・刑訴、◯憲法・行政法、△民訴、×民法
これらによれば、まず、刑法・刑訴は全て◎です。次に、憲法・行政法は全て◯以上です。最後に、民法・商法・民訴は毎回2科目が△以下です(民訴は全て△以下)。つまり、「刑事が得意、公法は普通、民事が苦手」ということが言えそうです。少し前までの自己評価では、民事と刑事が逆でした。勉強すればするほど、刑事が得意になり、民事が苦手になっている感覚があります笑。司法試験も、「刑事で稼ぎ、公法は守り、民事は耐える」という作戦で乗り切ろうと思います。
さて、最近は口述対策・司法試験過去問・経済法の勉強をしているのですが、正直、あまり進んでいません。口述対策としては、基本刑法を読んだくらいです。司法試験過去問は、平成29年は全て解いたのですが、平成30年は行政法しか解いていません。憲法・民法・商法・民訴・刑法については、「問題読んで『難!』となる→頑張って答案構成する→『これ絶対違くね?』となる→『間違った答え書き続けるの辛くね?』となる→答案書くのを諦めて解説等を読む」ということをしました。このようなやり方がダメなのはわかっているのですが、なかなか書く気力が起きません…。とりあえず、今日・明日・明後日は気分転換に経済法をやります。その後に平成30年の刑訴を解きます。司法試験の問題、難しすぎる…。
予備試験論文の予想評価(修正版)
こんばんは、アポロです。予備試験論文を受験してから、約2週間が経過しました。先日、予備試験論文の予想評価について書いたのですが、そこからさらに多くの再現答案を読み、自分の評価がより明確に予想できるようになりました。また、本日配信された伊藤塾の『予備試験論文出題分析会』を受講したところ、再現答案10通のうち2通が自分の提出したものでした(刑訴と般教)。そのため、少なくとも刑訴と般教については、かなり精度の高い予想になったと思います。
〜予想評価〜
・憲法…C(↓)
・行政…B(→)
・刑法…A(→)
・刑訴…A(→)
・般教…A(↑)
・実務…C(→)
・民法…A(→)
・商法…D(→)
・民訴…C(↑)
・順位…100位代後半
・憲法…C+(↓)
伊藤塾に集まった再現答案では、形式的正当化について言及した人は結構多かったらしい。この時点でAは無理だという推定が働く。
権利の重要性・規制態様については、他の再現答案と比較しても、かなり踏み込んだ検討ができているので、ここは高く評価され得る。
手段審査をよく書けたと思っていたが、多くの答案が厚く書いているので、ここで差をつけることはできないかもしれない。ただ、事実を全て拾って検討したことは評価され得る。
・行政法…B-(→)
特に新しい発見はなかった。
・刑法…A(→)
特に新しい発見はなかった。
・刑事訴訟法…A(→)
伊藤塾の再現答案に選ばれた。57行目の「②事件の有罪判決」は「①事件の有罪判決」の間違い。伊藤塾に提出した後すぐに気づいて直したが、時既に遅し。本番ではさすがに「①事件の有罪判決」と書いている(と思う)。自分の答案について、山本先生は以下のようにコメントしていた。
「よく書けてる。入り口は憲法39条から書けてる。判例ベースで公訴事実の同一性を書けてる。ひとまず形式的帰結を出してる。訴因の背後の社会的事実としては一連の同一事象と言えるかは疑問(細かい指摘だが)。論証は事前準備したかのようにしっかり書けてる。キーワードも書けてる。当てはめが丁寧で良い(そんなに頑張る必要はないが)。十分すぎるくらい十分。問題なくAはつく。」
山本先生は伊藤塾の講師で2番目に好きなので(1番は呉先生)、自分の答案を褒められたのは嬉しかった。平成15年判例が使った「単一性」という概念を導き出す論証を知らなかったこと・「単一性」という概念を使うと訴因記載の事実を使いづらくなることから、あえてそれを使わずに従来の判例理論で説明しようと試みた。このような説明が理論的に正しいかは不明だが、「公訴事実の同一性」を巡る議論は錯綜しているため、少なくとも「間違い」ではないはず。ただ、上記指摘の通り、「一連の同一事象」は筆が滑った感じはある。とはいえ、他の部分は圧倒的に書けているので、超上位だと思う。←コメントに指摘がある通り、これは明確な「間違い」です。少なくとも超上位ではないですね。ただ、相対的にAはつくと思っています。
・一般教養科目…A-(↑)
伊藤塾の再現答案に選ばれた。自分の答案について、坂本先生は以下のようにコメントしていた。
「設問1は、字数が多くて長すぎるのが欠点。ただ、ポイントを全て押さえており、ほぼ満点に近い要約なので、Aに近い評価は取れる。設問2は、神々の永遠の法は自然法なのかは疑問。対立軸の抽出は満点。当てはめも満点。大変よく書けてる。Aがつく。」
最も評価が読めない科目なので、「模範解答」のような扱いで褒められたのは嬉しかった。ただ、こんな薄い内容で本当にAがつくのか確信が持てない。プロの講師が言うのでAがつくのだと思うが、Aの中でも下の方だと思っている。
・実務…C(→)
特に新しい発見はなかった。
・民法…A-(→)
設問1の出来で大きな差がつくというのが伊藤塾の予想らしい。もしそうなら、判例の規範を示して事実を拾いまくった自分の答案はかなり跳ねるのではないか。
設問2は、取消権の一身専属性・錯誤を書いてないこと、余事記載(不当利得)をしたことが不安要素。これらが悪い方向に傾けば、Bもあり得る。
・商法…D+(→)
特に新しい発見はなかった。
・民事訴訟法…C-(↑)
伊藤塾に集まった再現答案では、判例の射程について検討していたのは30%未満らしい。そうすると、設問1で確認の利益・二重起訴を書き、設問2で一部請求棄却後の残部請求を書いた自分の答案は、相対的にはそれほど沈んでいないのかもしれない。そのため、悪くてもDに踏み止まる可能性が高いと思う。
こんな感じですかね〜。刑訴・般教で自分の答案が教材に載っていたのは、感慨深かったです。「遂に俺もここまで来たんだな〜」と。しかも、2通とも「A答案」との評価を頂けたので安心しました。
さて、東大ロー入試まで残り1週間を切りました。実は、予備論文が終わってから勉強が全く手につかない状態に陥っています。東大ローの過去問2年分を解いた以外は、本当に何も勉強していないです。明日は2018年の過去問を解くのですが、それ以外に勉強できる気がしないです。さすがに危機感が出てきたので、明後日から本気出します!
予備試験論文の予想評価・雑感等
こんばんは、アポロです。予備試験論文を受験してから、早くも1週間が経過しました。この間、私は再現答案を作成し、友達が何を書いたか確認し、Twitterでも多くの方の再現答案・雑感等を読みました。これらを通じて、ひたすら自分の答案の相対的評価を探りました。また、模試の成績・過去の論文試験の再現答案研究などを通じて、「受験生のレベル感」というのは把握しているつもりです。なので、以下の予想評価は、実際の評価にかなり近いと思います。
〜予想評価〜
・憲法…B
・行政…B
・刑法…A
・刑訴…A
・般教…C
・実務…C
・民法…A
・商法…D
・民訴…D
・順位…200位前後
〜雑感〜
・憲法…B+
形式的正当化に一切言及していない。他方で、実質的正当化については、事実を全て拾った上でかなり厚く書いた。そのため、自分の評価は、「形式的正当化の配点」・「形式的正当化を論じた受験生の割合」に依存する。形式的正当化を論じた友達はいるが、その分実質的正当化の論述がやや薄くなったと言っていた。両方とも厚く論じることができた人がどれだけいるのだろうか。あくまで相対評価なのでAの可能性はあるが、重要論点を落としている以上、Cでもおかしくない気はする。やはり、憲法は評価が読めない。
・行政法…B-
設問1は、考えたこともない問題だったので、完全な現場思考で解いた。行政契約という認定をした上で、誘導に乗りつつ、問題文の事実・条文を拾った。もっとも、いわゆる模範解答のような筋ではなく、微妙にズレた論述内容になっている。そのため、設問1単体の絶対評価なら、D以下だと思う。しかし、これを「附款」と認定した人が一定数いるので(実力者にも結構多い)、行政契約と認定して事実・条文を拾った以上、相対的にはCくらいかもしれない。
設問2は、処分性という典型論点だったので、行政法は本問が勝負と考え、厚く書いた。通知の根拠条文が不明確な点を除けば、平成23年予備試験とほぼ同じロジックで処分性を肯定する立論をすれば良いのだと思う。通知の根拠について厚く論じている余裕はなかったので、あっさり論じた。その他は平成23年の過去問を解いた時に色々悩んだ部分が再び問われたので、しっかり論じられた。ただ、再現答案・解答速報を読む限り、「できる」という効果裁量・「相当程度確実」という病院開設中止勧告事件の射程・最判平成24年2月3日の論理を示している答案が少ないことに驚いている。正にこの点が正面から問われているはずなので、ここを厚く論じられた以上、設問2単体ではAだと思う。
・刑法…A
かなり簡単な問題だったので、「どこで差をつけるか」ということを意識して論述した。ミスは一つもしていないし、事実認定も相当頑張った。超上位だと思う。
・刑事訴訟法…A
旧司法試験のような問題で驚いたが、判例自体は授業や『ロースクール演習刑事訴訟法』を通じて理解していた。「一時不再理効の客観的範囲→公訴事実の同一性」という流れで書き、公訴事実の同一性の有無を丁寧に検討した。時的範囲も検討した。「常習性の発露」も、判例の論理を踏まえつつ、問題の本質を捉えて厚く論述した。超上位だと思う。
・一般教養科目…C+
設問1は、無難に要約した。ほぼ全員が同じようなことを書いているので、ここでは差がつかないと思う。
設問2は、「人間の作った『ルール』vs自然的に存在する『倫理』」という対立軸で、安楽死について書いた(最初は「ルールvs信念(宗教)」という対立軸で書こうかと思ったが、抽象化の度合いとして中途半端だと思ったのでやめた)。違法性阻却(構成要件に該当するにもかかわらず犯罪不成立)というテーマ自体、上記の対立軸と親和性のある問題だと思うので、古くて新しい問題である安楽死を取り上げた。上記の対立軸の設定・具体例は適切だと思う(もちろんこれ以外の対立軸も設定できる)。再現答案・感想を見る限り、自己の選んだ対立軸に対してよくわからない具体例を書いた受験生が一定数いるようなので、相対的には浮上したと思う。ただ、具体例を挙げた後の論述が薄いため、Aはこないと思う。一般教養もなかなか評価が読めないが、BかCのどちらかだと思う。
・法律実務基礎科目(民事)
設問(1)(2)は、普通に書けた。
設問1(3)は、捨て問と判断し、「実益がないから」とだけ書いた(当然0点)。正答率はかなり低そうなので、全く気にしていない。ただ、普通に知っていたので書けた、という友達はいる(こわい)。また、現場で閃いた人も一定数いそうな気はする。
設問1(4)は、普通に書けた。
設問2(1)(2)も、普通に書けた。
設問3(1)(2)は、全くわからなかったので、終了間際に的外れなことをテキトーに書いた。一定数の受験生は解けそうな問題なので、そこそこ痛い失点である。
設問4は、いつも通り事実認定を頑張った。
民事単体ではCかDだと思う。
・法律実務基礎科目(刑事)
設問1(1)(2)は、いつも通り事実認定を頑張った。
設問2(1)(2)は、316条の15第1項柱書に沿って検討してしまった(同条3項の存在を失念していた)。ただ、検討する内容はほぼ同じなので、大きな問題ではないと思う。
設問3は、「刺突行為及び殺意の存在」を立証しようとしているとした上で、「偶然的にナイフが刺さった場合・殺意がなかったような場合には、そのような者がその後に『むかついたので人をナイフで刺してやった』という供述をすることは考え難い」として要証事実を「上記供述の存在及び内容」として非伝聞(非供述証拠)とした。この論理も間違いではないが、証明力を考えれば伝聞例外として採用した方が良いに決まっているので、いわゆる「正解筋」ではない。ただ、再現答案を読む限り、そもそも立証しようとしている事実を外しているもの・「要証事実」という概念の理解が疑われるものも多いので、伝聞例外で書かなかったことは、相対的に見れば大きな問題ではなさそうである。
設問4は、勾留取消請求・勾留執行停止の職権発動を促すことだけを書いた。問題文に保釈は認められなかったと書いていたので、保釈は書かなくて良いものと判断してしまった。加点方式である以上、「念のため書いておく」という作戦をとるべきであった。
刑事単体ではBかCだと思う。
・民法…A-
設問1は、答練みたいな問題だったので驚いた。こういう問題は「原則→例外(論点)」の論述の流れで差がつくと思ったので、とにかく条文を指摘し、表見代理もあっさり否定しつつ、丁寧に原則論を書いた。論点については、論証は大体覚えていたので、「正義の観念」というキーワードを出しつつ、特段の事情の有無を検討した。特段の事情の考慮要素は知らなかったので、とりあえず事実を拾いまくって特段の事情を肯定した。事務管理については考えもしなかったが、たぶん配点は低いので問題ないと思う。
設問2は、まずは債権者代位の要件を丁寧に検討した。取消権の一身専属性は書いていないが、一応書くべきであった(争いがない論点なので大した配点はないと思うが)。詐欺取消に加えて錯誤取消も書いた人も多いようだが、問題文の事情からはどう考えても詐欺が成立するので、配点すらない気がする(錯誤も論じさせるならもう少し微妙な事案にするはず)。詐害行為取消については、Aの害意で悩んだ。自分は結論として肯定したが、著名な民法学者に聞いたところ、「Aの害意は否定されるべき事案だが、悩みを見せた上で肯定するなら点数は入る」とのことだった。なお、最後になぜか不当利得を数行書いてしまった。論点がなくて心配になったため一応書いたが、完全な余事記載であり、心証は悪いと思う(基本的に加点方式の試験なので、大丈夫だとは思うが)。
・商法…D+
設問1は、出題予想していた分野(親子会社)がドンピシャで出た。Bについて、まずは利益相反取引を認定し、承認の有無で悩みを見せた。結論として承認はないとしたが、「仮に〜」という感じで推定規定も書いたので、問題ないはず。特定責任追及の訴え提起請求・多重代表訴訟については、試験当日の朝にも要件を確認していたので、一つ残さず丁寧に検討できた。再現答案・解答速報を含めて、自分ほど完璧に論じられた答案は見ていない。Aについては、子会社管理の「義務認定→義務違反」という流れで書いた。この流れで書けるかで意外と差がつくのではないか。責任追及の訴え提起請求・株主代表訴訟はあっさり検討した。設問1単体では、超上位だと思う。
設問2は、よくわからなかったので一旦飛ばし、終了間際にテキトーに書いた。「株式交換」と認定して3行くらいしか書いていないので、当然0点。圧倒的な実力不足である。設問2の配点は低いと考え、その割には時間がかかりそうでコスパが悪いと判断した。また、設問1の論述に自信があったため、謎の余裕があった。体感だと、自己株式取得の手続だけ書いた人が6割・譲渡制限の承認だけ書いた人が1割・両方書けた人が1割・両方書けなかった人が2割くらいの印象である。自分の商法の評価は、設問2の配点に依存する(6:4ならD、7:3ならC、8:2ならBと予想)。
・民事訴訟法…D-
設問1は、本当にわからなかった。判例の射程が問題になることにも気づかなかったので、本訴は確認の利益なくなって却下されると書いた。既判力についても、原則論を長々論じた上で、却下判決なので生じないと書いた(絶対違うと思いながら書いた)。かなり難しい問題だと思うが、周りでは射程について論じている友達の方が多いので、致命的な失敗かもしれない。ただ、二重起訴については言及しているので、そこは加点要素となり得る。
設問2は、明示的一部請求の訴訟物(既判力の範囲)・残部請求の可否の判例の規範を書いて、特段の事情を肯定した(本訴を却下したので本訴の既判力は問題にならない)。全体的に、全く出題趣旨に応えていない答案となった。ただ、難問であることには違いないので、周りの受験生の出来次第で自分の評価も変わる。なかなか評価が読めないが、C〜Eのどれかだと思う。
〜総括〜
現場での振る舞いは、結構良かったと思う。よくわからない問題・コスパが悪そうな問題は、あっさり捨てた。逆に、原則論・事実認定の論述では絶対書き負けないように意識した。
運が良かったのは、刑訴で一時不再理効が出たこと(普通に勉強していたので)・商法で親子会社が出たこと(ヤマ当て成功)である。商法に関しては、設問1がなければ本当に爆死していた。
Fがつく科目はなさそうであり、最もできなかった民訴も悪くてEだと思う。他方で、刑法・刑訴は確実にAだと思う。そのため、客観的に見て、合格可能性はかなり高い。
試験の2日間を通じて、自分の頭の悪さを痛感した(上位合格はたぶん無理)。というか、「2つ以上のことを同時に問われると思考が停止する」という自分の弱点に気付いてしまった。一つの複雑な論理を追い続けることは得意なので、公法・刑事では失敗しない。他方で、民実設問3・商法設問2・民訴のように、複数のことが同時に聞かれると、急に頭が働かなくなる。今冷静に考えれば、書くべき内容は自明だが、現場では本当にわからなかった。今回は知識と事実認定で上記弱点を補えたかもしれないが、司法試験に向けて自分なりの思考方法を確立しておく必要がある。
こんな感じですかね〜。色々失敗しましたが、自分の実力は出し切ったので、後悔はないです。合格発表までの間は、口述対策・司法試験過去問・経済法対策を同時並行で進めます。
さて、東大ロー入試まで残り2週間を切りました。明日からまた自主ゼミを組んで過去問を解きます。気持ちを切り替えて頑張ります!
予備試験論文合格に向けて
こんばんは、アポロです。先ほど令和元年予備試験の民法・商法・民事訴訟法の答案を再び書き、最後の答案作成を終えました。そこで、論文試験まで最後のブログ更新をし、当日の注意点・科目ごとの意識すべきポイントをまとめます(あくまで自分のためのアウトプットです)。
私の場合、合格する具体的なイメージはできているので、あえて不合格となるパターンを具体的にイメージします。そして、それを意識的かつ徹底的に避けることで、不合格になる確率を極限まで下げます。つまり、合格に繋がり得る要素を増やすのではなく、「不合格に繋がり得る要素を徹底的に排除する」のです。合格圏内にいる受験生としては、このような意識こそが、結果的には合格率の向上に繋がるはずです。
〜総論〜
①心の余裕を持つ。
これは安定して合格する人の特徴だと思います。数日前から過度に緊張するわけでもなく、淡々といつも通りのことを繰り返す。当日さえも「流れ」で受け切ってしまう。そもそも、「本番だ!今日だけは頑張るぞ!」と思って受けた人が合格する試験ではないので、本番だから頑張ろうと力むこと自体に合理性がないです。「やる気・元気」という採点項目もありません。もちろん、このような余裕を持てるのは、「たぶん受かる」という根拠ある自信を持っていることが前提だとは思います。このように考えると、実力がある人が安定して受かるのは、「実力がある」という事実に加えて、このような「心の余裕」があるからだと言えそうです。
②本番は、何かやらかしても、さっさと切り替える。
色んな合格者のお話を聞きましたが、皆さん本番で結構やらかしてます。ただ、それでも普通に受かってます。例えば、答案用紙に飲み物ぶちまけた、「検討不要」と書かれている事項を1頁以上大展開した、徹夜&高熱という死にそうな状態で受けた、などの話を聞きました。要は、「ちょっとした失敗くらいでは合否の結果は変わらない」ということだと思います。上記のような極めて異例な事態が起きても、受かる人は受かるのです。メンタル・体調・試験環境等で不安な要素があっても、その程度のことでは結果は変わらないと思います。現に私も慶應ロー入試の時は、教室の外で運動会みたいな超うるさい声が断続的に聞こえ、多少集中力が切れました。ただ、それが自分の成績に影響したとは到底思えません。何か起きても、「本番でこんなことあるんだな〜笑(あとで友達に話そう)」くらいの俯瞰で見れると良いのだと思います。
③問題文と素直にコミュニケーションする。
これは最も気を付けたいポイントです。令和元年予備試験を一通り解き直して感じたのは、「数年前と比較して誘導・ヒントの数が非常に多い」ということです。憲法・行政法では答案で使うべき事実の数は増えていますし、問いかけのバリエーションも増えています。刑法では「〜罪は書くな」という指示も増えています。民法・商法ですらも「〜は〜と思っている」的な記載が多く、請求や反論の根拠が暗示されていることが多いです。いくら実力があろうと、このような誘導・ヒントから外れた論述をすれば、(仮にそれが正しくても)実質0点です。実力者ほど本番でこのようなミスをしている方が多い気がします。これをやってしまうと日頃の努力を無に帰すに等しいので、これだけは絶対に避けなければなりません。答案に「×〜罪!」と書くなど、自分なりの工夫をして、徹底的にこのような失敗を回避します。
④わからない問題は「現場思考」と割り切る。
10科目もあれば、必ずわからない問題があります。この時に一番根性が試されます。気持ちで負けたら終わりです。ただ、客観的に見て、自分は受験生全体の中で相当上位にいます。そんな自分がわからない問題を周りの受験生がスラスラ書いていることなど、通常あり得ません。例えば、統治・手形などが出題された時は、むしろチャンスなのです。なぜなら、一定数の受験生は、問題を見た瞬間に諦めるからです。そのため、問題文の事実に食らいつき、短答知識をフルで使えば、相対的に浮上できます。実際、現場思考で書いた答案ほど、答練や模試では上位でした。未知の問題・難問ほど「実力」で大きく差がつくと思います。
⑤途中答案だけは絶対回避する(実質途中答案も含む)。
言わずもがな、一科目でも途中答案で出せば、相当に足を引っ張ります(もちろん、それだけで不合格にはならないが)。途中答案に陥る原因として、以下のものが考えられるます。
・難問が出たため問題分析に時間をかけすぎた←「どうせ皆わからない」と割り切って書き始める勇気があれば回避可能
・答案構成に時間をかけすぎた←答案構成は「本当に必要最小限度」に止めるという意識があれば回避可能(あくまで「地図」)
・特定の論点を厚く書きすぎた←「自分が詳しい論点が出た時こそ簡潔に書く」・「基礎は厚く、応用は簡潔に」という意識があれば回避可能
・他科目により時間が圧迫された←「あくまで総合評価だから特定の科目だけ頑張っても点数は伸びない」という当然のことを意識して割り切る勇気があれば回避可能
⑥色気を出さずに謙虚に答案を書く。
これも個人的にはかなり気を付けたいポイントです。「上位合格」を掲げて勉強してきた私ですが、答案を書く際には、そのようなことは考えないように気を付けています。なぜなら、上位合格のための「光る答案」を書こうとすると、空回りして大失敗する可能性が上がるからです。合格するためには、採点者に「こいつ凄い!」と思わせる必要は全くないのです。予備試験論文は、数名の天才しか選ばれないオーディションではありません。多数派の解答筋に従いつつ、その中で採点基準に一つでも多くヒットさせる意識が大切です。それだけで、結果的には「光る答案」になります。また、特に民事系に関して言えば、A評価の答案は総じて「クール」という印象を受けます。淡々と条文に当てはめ、現場思考論点もあまり展開せず、典型論点は論証パターンを貼り付け、そこそこの当てはめをして終わりです。正直、読んでいてつまらないです。ただ、そういう答案ほど、筋を外さずに書けている結果、高い評価を受けているのは事実です。逆に、唐突に「信義則!」・「実質的に〜」等とゴチャゴチャ書いてる答案は評価が低い傾向にあります。特に去年の民事系は、一定の条文・一定の論点に言及さえしていれば、いずれも普通にA評価がきています。そして、今年もそのような問題が出る可能性は高いです。「天才アピール」は、予備試験・司法試験に受かってから、学術論文でも書くことでやりましょう。
⑦会場で答え合わせしてるやつは、大体間違ってるので、無視する。
これは慶應ロー入試で実際に起きたことです笑。幸にも試験後でしたが、「民法・民訴は〜と〜出たよね!?簡単だったわ!」って言っているやつがいたんです。一瞬「マジか!」ってなったのですが、家に帰って問題文をよく読んだら、いずれもおよそ出てこない論点でした笑(それっぽい事情が問題文にあっただけ)。どんな試験場にもこういう奇行種はいるので、全力で無視しましょう。たぶんそいつは落ちてます。
〜各論〜
①憲法…当事者の不満・国側の反論・立法事実・司法事実は全て使う!
②行政…問いかけの形式は死守!全ての論理は条文を使って説明する!
③刑法…検討不要な罪名は要チェック!メリハリを大切に!論理矛盾に注意!
④刑訴…捜査は、事実の抽出と評価が勝負!伝聞は、証拠構造(推認過程)をよく考える!
⑤般教…問題文を論理的に読み解き、無難な文章を書く!
⑥民実…準備書面問題が一番の得点源なので、少し考えてわからない問題はさっさと捨てる!
⑦刑実…事実認定が一番の得点源なので、少し考えてわからない問題はさっさと捨てる!
⑧民法…複雑な事案は事実関係の整理で勝負がつくので、事実経過は慎重に確認する!
⑨商法…とにかく条文!わからなければ強引に進める!どうせ皆わからないから問題ない!
⑩民訴…「原則論→不都合性→修正」の流れで書くが、原則論の論述で勝負はついている!
こんな感じですかね〜。再現答案については、伊藤塾に提出するため、ここに載せることはできません。ただ、10月31日・11月1日に辰巳の「論文試験大分析会」を受講するので、その後に雑感・予想評価等を書くつもりです。
予備試験論文の2日間、最後まで頑張ります!そして合格します!
予備試験全国公開論文模試 第2回(伊藤塾)
こんばんは、アポロです。
先ほど伊藤塾から『予備試験全国公開論文模試 第2回』の答案が返却されたので、その反省と今後の勉強の指針について書きます。
〜憲法〜 予想はB→結果はC
・目的を2つに分けなかったため、当てはめが充実しなかった(目的の分析は慎重に)
〜行政〜 予想はC→結果はB
・設問1は、「法に根拠を有しない」という反論を検討できなかった(「なお」は要注意)
・設問2は、「拘束力」(行訴法33条2項)に言及できなかった
〜民法〜 予想はE→結果もE
・前段は、顕名の要件・177条絡みの論点を検討できなかった(事実関係の整理が不十分)
・後段は、契約の効果帰属に言及できなかった
〜商法〜 予想はA→結果はC
・設問1は、「正当な理由」の基準時の結論が逆だっただけで大減点された(理由は書いてる)
・現場思考に近い問題で特定の見解を押し付けてくるような採点には大いに疑問がある
・設問2は、特に理由もなく減点されていて、本当に意味がわからない
・久々にゴミ採点に当たってしまったので、この結果は全く気にしなくて良いと考える
〜民訴〜 予想はA→結果もA
・ほぼ完璧な答案が書けた
〜刑法〜 予想はA→結果はB
・国家法益に対する詐欺罪の成否を検討しなかった(書くか迷ったら一言言及する)
〜刑訴〜 予想はA→結果はC
・設問1①は、答案例・添削共に意味不明である。そもそも、「逮捕の現場に居合わせた第三者の身体捜索の可否」という論点は、「逮捕の現場」の解釈というよりは、当該第三者が「逮捕の現場」にいることを前提に、そのような者の身体に対しても捜索をなし得るのか、という問題意識から出てくるものである。解説は古江本を参照し、消極説が有力説であると書いているが、137頁には「積極説が有力」とハッキリ書いてある。そのため、「『逮捕の現場』とは逮捕した場所と同一の管理権が及ぶ場所的範囲をいうところ、甲方で甲を逮捕して甲方で丙のかばんを捜索しているため、『逮捕の現場』といえる」とした上で、102条2項の要件を検討している私の答案には何の論理的問題もないはずである。それにもかかわらず、採点者は、①「被逮捕者の管理権が基準です」(←いや、違うでしょ笑)、②「甲のかばんではないです」(←知っとるわ)、③「必要な処分の問題です」(←それは消極説からの話な)という、不正確かつ意味不明なコメントを付して減点している。①については、本問の解説9頁にも、「『逮捕の現場』の解釈については、……相当説によると、逮捕場所と同一の管理権が及ぶ範囲をいう」と書いている。採点者さん、直前期の受験生の答案を添削するなら、もう少し勉強して下さい。
・設問1②は、「人の看守する……建造物」と正確に引用したら、「?」「条文の文言に当てはめましょう」と書かれたのですが、条文の読み方がわからない方なのでしょうか?
・設問1③は、携帯電話と被疑事件の関連性にも触れるべきだった
・設問2は、「共通意思形成→共犯者にとっても精神状態供述」という理屈を失念していた
〜総括〜
・成績は酷いが、様々な理由でこの模試の信憑性は怪しいので、気にしなくて良いと考える
・憲法は、目的を丁寧に分析して手段審査を充実させないと点数が伸びないと再確認した
・刑法は簡単すぎて点数がインフレし、商法・刑訴の採点は意味不明なので、気にしない
・予想よりも評価が悪かった科目が多いが、採点が意味不明な科目も多いため、仕方ない
〜今後の勉強の指針〜
・とにかく「穴をなくす勉強」をする
・定義・論証を徹底的に暗記する
・自説を確認し、ブレないように気を付ける
・予備試験や新司法試験の過去問等に既出の論点は、当てはめレベルまで確認する
こんな感じですかね〜。これが本番だったら不合格でした笑。ただ、上述の通り、出題と採点が微妙なことに加え、他にもこの模試の信憑性が低いといえる要因があります。したがって、この結果を気にすることには何の意味もないため、反省点だけ把握してさっさと切り替えます。そして、ついに本番まで残り1週間を切りました。なので、答案を書くのは明日で最後にします。
昨日親友(彼も法曹志望)と電話したら、「別に落ちても死ぬわけじゃないし、いずれは弁護士にはなれるんだから、もっと気楽に受けたら?たぶんお前は落ちないとは思うけど笑」と言われ、妙に納得しました。そうなんですよね、所詮法曹になれるのが数年早くなるかどうかっていうだけの試験です。普段は「落ちたら死ぬ」くらいのメンタルで勉強すべきだと思うのですが、直前期・本番までそのメンタルでいるのが良いとは思えません。当日全力を出すのは大前提ですが、「心の余裕」を持つことも同じくらい大切だと思います。なので、私は何とかこの試験を楽しもうと思います。そもそも、去年は受けられなかった論文試験を受けられるっていうだけで、幸せなことですよね。というわけで、この超直前期の緊張感すらも楽しんでいきます!
予備試験論文公開模試(辰巳)
こんばんは、アポロです。
先ほど辰巳から『予備試験論文公開模試』の答案が返却されたので、その反省と今後の勉強の指針について書きます。
〜憲法〜 予想はC→結果はA(推定)
・24条1項は、ここで長々と書いてしまったのが最大の失敗(問題の空気を読めていない)
・24条2項は、法案1〜3号をまとめて検討してしまった(問題の分析・検討が雑)
・14条1項は、時間不足でまともな検討ができていない(24条1項で書きすぎた)
・複数の人権が出てきた時は、問題の空気を読み、「何を厚く論じるべきか」を見極める
〜行政〜 予想はB→結果もB(推定)
・設問1は、当てはめがやや薄かったが、解答例ほど書くのは現実的でないので、これで良い
・設問2は、B県の反論に対して再反論をする形で書いてしまった(問いかけをよく読む!)
・設問3は、10ヶ月経過していることに触れなかったが、仕方ないとは思う
・知識面では行手法の条文・判例を復習し、論述面では「問題の形式を守る」意識を徹底する
〜民法〜 予想はA→結果もA(推定)
・設問1は、ほぼ完璧だったが、判例の規範がもう少し正確だとなお良かった
・設問2(1)は、「債権的には有効だが物権的には無効」という基礎Mの説明だと減点された笑
・設問2(2)は、帰責事由の検討が薄かった
・やはり本番との質的相違が大きいので、予備試験民法の頭の使い方・解き方を確認する
〜商法〜 予想はB→結果はA(推定)
・設問1は、未知の論点だったが、既存の知識を流用しつつ、現場思考で解くことができた
・設問2は、MBOの任務懈怠など知らなかったが、何かしらの任務を設定するべきだった
・いずれも現場思考で解いたが、適切な理由で正解を導き出せたので、自信になった
・現場思考では絶対書き負けないので、判例・条文の知識レベルで書き負けない準備をする
〜民訴〜 予想はA→結果はB(推定)
・設問1は、出題意図が不明(「既判力によって……原告適格を欠く」って笑)
・設問2は、既判力の客観的範囲・作用について検討できていない(原則から書く姿勢の欠如)
・伊藤塾の模試でも「既判力の原則論を落とす」というミスをしているため、本当に要注意
・伊藤塾の模試や本問のように、ややイレギュラーな問われ方をした時こそ、原則論から書く
〜刑法〜 予想はA→結果もA(推定)
・問題のクセが強すぎる上に、添削内容が意味不明(採点者が正当防衛を理解していない)
・辰巳は正当防衛にヤマを張っているようなので、復習する
〜刑訴〜 予想はA→結果もA(推定)
・逮捕の適法性は、時間的場所的接着性ではなく、明白性で現行犯逮捕を切るべきだった
・取調べの適法性は、実体喪失説から違法と結論づけたが、適法とすべきだった
・余罪取調べに限界がないという自説から当てはめができないため、実体喪失説に逃げた
・極端な学説は当てはめがしづらいため、当てはめまでイメージして論証を見直し、修正する
〜民実〜 予想はA→結果もA(推定)
・設問1(2)(3)…登記請求権の請求の趣旨・訴訟物が不正確だった(「別紙登記目録記載」)
・その他は特にミスしていないので、暗記事項・準備書面の論じ方を確認すれば足りる
〜刑実〜 予想はA→結果もA(推定)
・設問2…的外れなことを書いたが、説得的との理由で加点されたので、結果オーライ
・設問3…予定主張記載書面についての理解不足により、少しズレたことを書いてしまった
・設問4…急迫性・防衛の意思も書いた結果、論述が薄くなった(「争点整理の結果に留意」)
・設問5(2)…規則49条を指摘できなかった(判例の読み込みが甘い)
〜般教〜 予想はC→結果はA
・客観的に見てそれほど良い内容とは思えないが、なぜか高く評価された
・とにかく具体的に掘り下げて検討する、という姿勢が評価されたのかもしれない
・書き方のコツは掴めたので、本番でも良い点を取りたい
〜総括〜
・母数を考えても良い順位だが、一般教養で点数が跳ねたのが大きい(得点調整もない)
・伊藤塾模試に引き続き予想よりも評価が悪かった民訴は要注意な科目といえる
・民訴は、「論理的な論述」や「原則論を丁寧に示す」という基本的な部分で失点している
・模試と本番が異なるのは承知の上だが、一桁順位で合格するイメージがより具体化された
〜今後の勉強の指針〜
・とにかく「穴をなくす勉強」をする
・定義・論証を徹底的に暗記する
・自説を確認し、ブレないように気を付ける
・予備試験や新司法試験の過去問等に既出の論点は、当てはめレベルまで確認する
こんな感じですかね〜。本番までの残り10日は、自分の信じた教材のうち、特に基礎・基本の確認を徹底をし、リラックスしながら網羅的な復習を繰り返します。
予備試験全国公開論文模試 第1回(伊藤塾)
こんばんは、アポロです。
先ほど伊藤塾から『予備試験全国公開論文模試 第1回』の答案が返却されたので、その反省と今後の勉強の指針について書きます。
〜憲法〜 予想はA→結果もA
・本件広場を指定的パブリック・フォーラムと認定したが、おそらく不適切だった
・団体の人権享有主体性にも一応言及すべきだった(集会の自由では検討不要な気はするが)
・事前規制であることにも言及すべきだった
・「事実を拾う意識」がもう少しあれば完璧な答案になった
〜行政〜 予想はB→結果はA
・設問1は、Xが奪われる具体的利益・取消訴訟の合理性について検討が不十分だった
・処分性の問題は、「条文を使う意識」で勝負が決まる、ということを再確認した
・とはいえ、自分の微妙な答案でも上位なので、設問1は、かなり難易度が高かったと思う
・設問2は、判例の規範をもう少し具体的かつ正確に示せると良かった
〜民法〜 予想はE→結果はC
・設問1は、特定物売買についての根本的な理解に欠けていたため、支離滅裂な論述になった
・設問2は、本問の特殊性(Bが解除したい理由)についても何かしら言及すべきだった
・設問3は、Dが甲を飲んだことで現存利益がないのではないか、という論点に気づかなかった
・圧倒的な実力不足なので、債権総論をよく復習し、生の主張反論から考える意識を徹底する
〜商法〜 予想はC→結果はA
・設問1は、331条5項・346条1項を落とした(落としがちな条文)
・株主総会招集通知に選任される取締役の数を明示しないことの可否は、これを機に押さえる
・通知と異なる数の取締役選任の可否は、309条5項の存在を失念していたため気づかなかった
・否決決議の「決議」該当性は、典型事案と違うと考えて無視したが、一言言及すべきだった
〜民訴〜 予想はA→結果はB
・設問1(1)は、訴訟物の規範を示していない上に、論述に若干の論理的飛躍があった
・また、訴えの変更に気づいた時点で安堵し、請求の基礎の同一性の典型論点を落とした
・設問2は、既判力の客観的範囲・作用について検討できていない(原則から書く姿勢の欠如)
・また、確定判決の騙取に関する判例の規範が不正確なため、当てはめにも連鎖し、失点した
〜刑法〜 予想はA→結果もA
・甲の詐欺罪で、「名義人Vの承諾がある以上、代金支払意思の偽りはない」と書けなかった
・甲の有印私文書偽造罪で、名義人・作成者の定義は書くべきだった
・甲の傷害致死罪で、違法性阻却事由の錯誤を落とした(錯誤絡みの論点は落としがち)
・乙はずっと傷害致死罪で検討してたのに、最後の罪数検討で誤って殺人罪の罪責を負わせた
〜刑訴〜 予想はB→結果はA
・設問1は、おとり捜査該当性を否定したとしても、判例を意識した当てはめをすべきであった
・設問2①は、自白の定義(自己の犯罪事実の主要部分を認める供述)は書くべきだった
・設問2②は、普通に相反性を認めて相対的特信情況で切ったが、現実的な解答筋だとは思う
・判例との距離感を意識した論述をしなければ、判例を知らないとみなされることに注意する
〜民実〜 予想はA→結果はB
・設問1(2)…代理の要件事実は、99条1項の文言を引用してもう少し丁寧に説明すべきだった
・設問2(1)…事物管轄・土地管轄(民法484条1項)に言及しなかった(標準時のみ書いた)
・設問2(2)…民訴159条2項が見つけられず、引用できなかった
・設問4…「Yの追認を期待してZが無権代理を行った」というYの主張に言及できなかった
〜刑実〜 予想はA→結果はC
・設問3…316条の15第1項1号ではなく、同条3項1号イを検討してしまった(設問3は0点)
・設問5…故意についての規範を示すべきであった
・設問2・設問5の当てはめは、それぞれ約半分の点数しかもらえてないが、理由は不明
・事実は拾って評価しているため、何か他の部分に問題がある可能性があるので、要検討
〜般教〜 予想はC→結果はB
〜総括〜
・母数を考えれば決して良い順位とはいえないし、民事系(実務含む)の出来は酷い
・予想よりも評価が悪かった民訴・実務は要注意な科目といえる
・民訴は、「論理的な論述」や「原則論を丁寧に示す」という基本的な部分で失点している
・実務は、事実認定の問題で想像以上に減点されているので、原因を探る必要がある
〜今後の勉強の指針〜
・とにかく「穴をなくす勉強」をする
・定義・論証を徹底的に暗記する
・自説を確認し、ブレないように気を付ける
・予備試験や新司法試験の過去問等に既出の論点は、当てはめレベルまで確認する
こんな感じですかね〜。母数を単純に10倍すれば240位くらいの成績になります。上位合格はおろか、決して安心とは言えない成績です。とはいえ、残り期間でやれることは限られていますし、やるべきことも限られています。やはり、基礎・基本の徹底に尽きると思います。勉強の強度を落とすべき時期だと思うので、リラックスしながら網羅的な復習を繰り返します。