予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

コンプリート論文答練 刑法 第5〜8問

 こんばんは、アポロです。

 先ほど『コンプリート論文答練 刑法 第5〜8問』の答案が返却されたので、その反省と今後の勉強の指針について書きます。

 

〜第5問…30点(推定B)〜

 ・「不作為の共同正犯と幇助犯の区別」という論点では原則幇助説が通説ということを知らなかったので、機能的二分説で書いた結果、0点をつけられた(だったらなぜ論文マスターでは機能的二分説で教えてるんだ笑)

 ・「不作為の幇助の因果関係」を検討し忘れた(論点で頭がいっぱいだった)

 ・共同正犯とすべき丙を幇助で書いてしまった(仮に幇助で書くとしても、先に正犯性を否定しておくのが論理的)

 

〜第6問…27点(推定C)〜

 ・間接正犯を三段論法せずに書くなど、全体的にメリハリのつけ方が下手だった

 ・建造物侵入罪を書いてしまった(設問をちゃんと読もう!)

 ・現場で悩んだ末、「強盗の機会」を書かないという選択をしてしまった。「宝石をバッグに詰め込んでる最中に発砲してるんだから強盗の機会を論ずる実益はない」と考えてしまった。ただ、手段説がある以上論ずる実益はある論点だったので、これを書かないのはまずかった。もっとも、個人的には、これを三段論法して書くのはセンスが悪い気がするし、刑法のシビアな時間と紙幅を考えると現実的ではない気がする。なぜなら、これが強盗の機会に当たらないというのは、手段説以外からはあり得ないからである(実際、当たり前すぎて解答例も全く当てはめられていない)。というか、問題の読み方によってはこれも「手段」と認定することは不可能ではない気もする。まぁ、教訓としては、「論点を展開するか迷ったら、一言認定しておくのが無難!」ということになる。

 ・「死者の占有(主観ver.)」を大展開し、当てはめてる段階で「これ書く必要なくね?」と気づいた。急いで窃盗の故意を否定してから抽象的事実の錯誤を書いたが、時間が足りずに三段論法崩しでテキトーに書いた。論点に飛びついた結果、不要な論点を大展開し、本来書くべきことを書けなくなるという最悪の結果となった。具体的な反省としては、「死者の占有が問題となりそうな事案においては、財物を持ち去った者が殺害者か否かをまず確認することが重要」ということを痛感した。抽象的な反省としては、商法や民訴の反省のところで書いたように、自信のある科目で「論点に飛びつく」ような姿勢を改める必要がある。

 

〜第7問…27点(推定C)〜

 ・やたら学説を聞いてくる形式にうまく対応できず、大幅に減点された(論じている内容自体は合っていたし、予備試験はこのような出題形式では出ないはずなので、気にする必要はないかと)

 ・承継的共犯と207条は個人的にかなり出そうな気がするので、形式面を除けば、要復習な問題ではある

 

〜第8問…30点(推定B)〜 

 ・普通の恐喝罪で書くべきところを恐喝利得罪として書いてしまった。「対価の支払があっても財産上の損害は認められる」ということを理解していなかったため、本問では普通の恐喝罪が成立しないと思ってしまったのである。これは単純に知識不足・理解不足・勉強不足でしかないので、各論もう少しを詰める必要性を感じた。

 ・不法原因給付と交付罪の論点は、民法708条但書を使うのが良いらしいので、論証を変更することにした

 ・「賄賂と交付罪の関係」という論点に全く気づかなかった(アウトプットの問題)

 

〜総括〜

 ・とにかくひどい。一通も35点に届かず、平均点もおそらく過去最低。

 ・構成要件や論点を落としまくっており、実力不足を痛感した

 

〜今後の勉強の指針〜

 総論は大きなミスをしていないが、各論はやらかしまくっている。まとめると、①構成要件の理解不足、②論点の理解不足、③論点への飛びつき、④論点に気づけない、の4パターンに大別できる。①や②はインプットレベルの問題なので、短答の勉強でしっかり補いたい。③と④はアウトプットレベルの問題なので、『刑法事例演習教材【第2版】』の各論をもっとやり込むと共に、直前答練での課題として克服したい。個人的には第8問のような各論の多論点型が苦手なので、このような問題で構成要件や論点を落とさず書く練習をする必要がある(問題研究にはこの類の問題が少ないのが残念)。

 

 こんな感じですかね〜。全8問の平均が32点(推定B)で、目標の35点(推定A)には3点届きませんでした。商法や民訴と比べると全然足りてないですし、刑法も自称得意科目だっただけに、非常に悔しいです。各論が課題なことは明白なので、当面は短答の勉強を通じてインプットをしっかりしていきます。

 

 さて、慶應の授業開始が4月30日に延期され、オリンピックも延期され、コロナの影響で世の中はバタバタしています。アメリカの司法試験は延期されましたし、予備試験の延期もあり得ない話ではないと思います。私は現在Twitterはやっていないのですが、先ほどログインせずに「コロナ 予備試験」と検索すると、多くの受験生が「コロナのせいで〜」とか「予備試験中止じゃないか」とか呟いていました。しかし、そのような心配をする意味ってあるんでしょうか?コロナのせいで試験が延期や中止になるのは自分の努力では変えられないことですし、それを気にして勉強に集中できないというのは、バカバカしいと思います。結局「いずれくる試験に備えて勉強する」ということに変わりはないのだから、中止と発表されていない以上、予定通り実施されることを前提に全力で勉強を継続するのが最も合理的だと思います。私が受験期間はTwitterをやらない理由は正にここにあって、基本的にタイムラインに表示される情報は「ノイズ」だと考えています。そんなこと(=自分の努力ではどうしようもないこと)を気にしてる暇があるなら私は勉強したいです。そう考えると、今世の中がバタバタしているのは、予定通りに試験が実施された場合には大きなチャンスになると考えています。なぜなら、少なからずコロナ騒動で勉強に支障が出ている受験生がいるからです。このような状況をネガティブに捉えることは何も生まないので、私はポジティブに捉えています。てことで、今日はカッコつけて英語で締めます!

 Just do your things. Just do your shit. Seize the day. You'll be okay.