予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

論文直前答練 民法・商法・民事訴訟法 第1〜4回

 こんばんは、アポロです。

 先ほど伊藤塾から『論文直前答練 民法・商法・民事訴訟法 第1〜4回』の答案が返却されたので、その反省と今後の勉強の指針について書きます。

 

 

〜第1回〜

民法…29点(推定C)

 ・設問1(1)は、「有責配偶者からの離婚請求」の判例の理解不足で三段論法ができなかった

 ・設問1(2)は、詐害行為の要件を丁寧に論じ、慰謝料支払と財産分与の違いにも気付けた

 ・設問2は、「日常の家事」の論点抽出はできたが、時間がなく、かなり雑に書いてしまった

 ・設問2の最大の失敗は478条類推適用(相殺)を書いたこと(「曖昧な知識」の弊害)

・商法…35点(推定A)

 ・設問1は、351条1項を指摘できなかったのが痛い(問題文に露骨なヒントがあった)

 ・「原則」と書くべきところはしっかりと明示する

 ・設問2は、「商号」該当性の論点と「悪意」の論点を明確に分けて書くべきであった

 ・複数の現場思考型論点が出てきた時にまとめて論じてしまう癖は良くないので、要注意

・民訴…38点(推定A)

 ・設問1は、「実体法上の管理処分権の帰属態様」という規範のキーワードを忘れてしまった

 ・設問2(1)は、「固有必要的共同訴訟の訴え取下げ」が不利益という前提で書いてしまった

 ・設問2(2)は、「裁判を受ける権利(憲法32条)」という必要性から書き出すべきであった

 ・「当たり前」と思った部分でも、リスク回避のために一言説明を添える癖をつける

 

〜第2回〜

民法…31点(推定B)

 ・設問1は、110条類推適用なのに、「正当な理由」の有無を通常通りに書いてしまった

 ・設問2は、「使用利益は『果実』ではない」と考えてしまい、196条1項但書を無視した

 ・「通常の必要費」と「特別の必要費」という区分があることをそもそも知らなかった笑

 ・189条2項と190条1項を指摘できなかった

・商法…24点(推定D)

 ・設問1前段は、「会社に対しても譲渡は有効」と明確に書くべきであった

 ・設問1後段は、12行も使って124条4項に関する余事記載をした(本問最大の失敗)

 ・設問2は、模範解答も触れていない問題意識を無視したら大減点された(厳しくね?)

 ・設問3は、伝統的通説の立場で書いたら、「有力説の立場で書け」と大減点された(wtf

・民訴…40点(推定A)

 ・設問1は、結論をどう書いて良いかわからず、問いかけから離れる結論を書いてしまった

 ・設問2は、「作成目的」や「自由な意思形成」というキーワードを落とした(理解不足)

 ・設問3は、現場思考で何とか逃げ切れた

 ・事前準備できる部分(定義・規範)で失点しないことが最重要なのだと再確認した

 

〜第3回〜

民法…26点(推定C)

 ・設問1は、「時効によって消滅した」の解釈論を展開しなかった(当然の前提としていた)

 ・設問2は、何となく知っていた論点だったので、ほぼ完璧に書けた

 ・設問3は、478条に触れることすらできず、0点!(468条1項について書いてしまった)

 ・債権総論の論点を混同することが多いので、今一度整理する必要があると痛感した

・商法…14点(推定F)

 ・過去最低点を更新したが、著しく不適切な出題と考えるため、全く気にしていない

 ・設問1は、まずはBSを読んで財源規制違反を判断させる問題だが、そこがわからなかった

 ・設問2は、Dの原告適格(831条1項柱書後段)について触れられなかった

 ・出題者は最近簿記2級でも受けたのか?平成23年司法試験に憧れたか?出題意図が不明

・民訴…32点(推定B)

  ・設問1は、何とか現場で規範定立をした結果、満点だった

 ・設問2は、「訴訟行為についての錯誤取消の類推適用」を書き、既判力に一切触れなかった

 ・設問3は、平成27年判例のうち246条に関する論点を知らず、的外れなことを書いた

 ・和解の論点を混同することが多いので、今一度整理する必要があると痛感した

 

〜第4回〜

民法…23点(推定D)

 ・設問1は、ほぼ完璧に書けたので、満点だった

 ・設問2も、正確に条文を指摘できたので、ほぼ満点だった

 ・設問3は、安全配慮義務に触れることすらできず、0点!

 ・これを「現場思考」で解ける能力、「知識」として持つことのいずれも不要と考える

・商法…44点(推定A)

 ・設問1は、828条「1項」2号を引用し忘れて減点されたので、要注意

 ・有利発行該当性を肯定したが、実務の考えでは否定されるらしい(知らんわ)

 ・設問2は、ほぼ完璧に書けたので、満点だった

 ・平成26年改正で加わった条文はまた出そうな気がするので、理解を深めておく

・民訴…34点(推定B)

  ・設問1課題(1)は、「紛争主体たる地位の承継」の当てはめが、やや雑だった

 ・設問1課題(2)は、信義則の観点から書いたが、手続保障の観点から書くべきだったらしい

 ・設問2課題前段は、裁判上の自白の定義を書き忘れた

 ・設問2課題後段は、要件事実的な観点から検討できず、よくわからないことを書いた

 

〜総括〜

 ・民法は悪すぎ、商法は普通で、民訴は良い

 ・全体的に要件充足性の検討が雑

 ・「曖昧な知識」で不要な論点を書くことが多く、逆に基礎的な部分の論述は薄い

 ・やはり民事系の答練問題は予備試験の問題との質的な乖離が大きいと感じる

 

〜今後の勉強の指針〜

 ・論点間の関係性を理解して混同を防ぐと共に、点を取る書き方をマスターする必要がある

 ・民法は、債権総論分野の出来が非常に悪いので、重点的に復習する

 ・商法は、「条文力」がまだまだ足りないので、まずは今年の短答の復習をする

 ・民訴は、定義・規範の暗記を徹底する

 

 

 こんな感じですかね〜。特に民法の点数が酷いですが、あくまで基準は過去問なので、反省すべき点と無視すべき点の峻別は重要かと思います。民事系は伊藤塾特有の癖が強く、例えば民法では、「債務不履行不法行為に関するややマイナーな百選掲載判例を好んで出題する」というものがあります。しかし、予備試験においてそのような問題は過去に一度も出題されていません。そのため、それを全て理解しようとするような勉強は、明らかに間違った勉強ということになります。

 もっとも、良問もあり、知識のレベル・書き方のレベルで学んだことは多いです。特に、自分の場合は、「応用的な部分を厚く書き、その結果、基礎的な部分の論述が薄くなる」という悪い癖があります。過去問でも同様の失敗をしているので、もし本番の民事系で失敗するとしたらこのパターンだと思っています。今までは自分の「勝ちパターン」ばかり探していましたが、安定して受かるためには、むしろ「負けパターン」を理解し、徹底的にそれを避けることが大事なのだと思います。それに気づけただけでも、この答練を受けた価値はありました。

 さて、短答試験から早くも1ヶ月が経過し、論文試験までの折り返し地点を迎えようとしています。今一度自分の勉強の方向性や課題を確認すべき段階だと思います。不安になっても手を広げず、「当たり前のことを当たり前に書けるように」、淡々と勉強を継続していきます。