予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

『刑法事例演習教材【第3版】』

 こんばんは、アポロです。先日発売された『刑法事例演習教材【第3版】』を購入し、第2版と比較しながら解説を一通り読み直しました。以下、その感想を書きます。

 

 

 ①問題・解説はほとんど変更されていない

 問題については、問題文の日付が「令和」等と変わっているくらいで、実質的には同じです。また、同書の解説は丁寧とは言えないものも多かったので、その辺がもう少し良くなるかと期待したのですが、ほとんど改訂前のものと同じでした。近時の判例への言及も当然増えていますが、あっさり言及されているだけなので、この点も実質的に同じです。追加された解説でかなり勉強になったと感じたのは、178頁の「中止行為→任意性の順に検討されなければならない」という指摘くらいでした。

 

 ②追加された事例は最新判例に関連するものが多い

 まだしっかり検討できていませんが、追加された4つの事例のうち3つは、詐欺罪の承継的共犯・同時傷害の特例・侵害の急迫性等、最新判例に関連するものでした。いずれも近年のホットトピックであり、数年以内に司法試験・予備試験のネタになりそうな問題だと感じました。気が向けば、これらの解答例を作成してみます。さらに気が向けば、それをブログに載せます。

 ③第2版の解答例は全て削除した

 完全に個人的な話になるのですが、これまでブログに掲載していた第2版の解答例を全て削除しました。理由としては、答案としての質が著しく低く、読者に有害であると考えたためです。実はここに解答例を掲載した後、著名な学者の考え方に触れる機会が増え、刑法の答案の書き方・論証・当てはめを大幅に変更しました。それに伴い、多くの解答例を大幅に修正しました。また、ブログに載せた事例に追加して何問か解答例を作成しました。そのため、ここに載せた解答例は、自分の勉強ではほとんど参照していませんでした。それでも削除せずに載せていたのは、読者の方が自分の答案を批判的に検討することで勉強になるという意義があると考えていたからです。ただ、第3版が発売されたことは一つの良い区切りだと考えたので、全て削除することにしました。なお、新たに作成した解答例は、司法試験受験後、可愛い後輩ちゃん達にあげようと思っています。

 

 

 というわけで、第2版を持っている人が本書に買い換える必要性は低いと感じました。新たな事例だけコピーすれば十分だと思います。まぁ、自分含めた本書の大ファンは、結局買い換えるんですけどね笑。

 

 そして、おそらくこれが年内最後のブログ更新になります。司法試験過去問はあまり進んでいませんが、クリスマス・年末年始を楽しんだ後は、口述対策に本腰を入れようと思います。振り返れば、非常に充実した1年でした。感謝の気持ちだけは忘れず、2021年も楽しく生きて行きます。良いお年を!