予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

十年後の自分へ

お久しぶりです。アポロです。

 

前回の記事で「実質的な更新は今日で最後」と書きましたが、番外編として「十年後の自分へ」という記事で修習の感想や実務への意気込みを書くことにしました。というのも、今日で修習生の身分を失って明日から弁護士になるにあたり、思うことが沢山あり、それらを何らかの形で言語化したかったからです。このブログを読んでくれている方はいずれ修習を経て実務に出るはずなので、せっかくならそのような方々にも自分が今思うことをシェアしようと考えました。お時間がある方は、最後まで読んで頂けると嬉しいです。

 

修習の1年間は、とても充実していました。素敵な同期達や法曹の方々と出会えたこと、修習以外の場でも交流を広げられたこと、沢山ある時間を活かして英語や簿記会計の勉強ができたこと、沢山の本を読めたこと、挙げるとキリがないですが、とにかく充実していました。ただ、所得が少ないため、金銭面では少し苦労しました。お金はないけど時間はある修習生活でしたが、精一杯エンジョイしました。ここまで来れたのは紛れもなく家族や友人のサポートがあったお陰なので、弁護士になった後で少しずつ恩返ししていきます。

 

二回試験については、2週間前から勉強を開始しました。使った教材は、以下の通りです。

・刑裁…刑事事実認定ガイド、講評パワポ(講評の講義まで聴き直すべきだったと反省……)

・検察…終局処分、小問の白表紙、講評パワポ(終局処分の記載例読んで型を暗記するだけ)

・民弁…民事弁護の手引き、民事弁護における立証活動、大島本、講評パワポ、和解条項

・民裁…ジレカン、事実摘示記載例集、講評パワポ(事実認定の類型だけ確認すれば余裕)

・刑弁…刑事弁護の手引き、講評パワポ(講評パワポでイメージを膨らませて書き方を確認)

 

さて、ここからは「実務への意気込み」です。修習の1年間は、自分の無能さに気付く場面が多く、前よりも謙虚になりました(自分で言うのはナンセンスかもしれませんが笑)。元々自分は調子に乗っていた時期があったのですが(特に予備論文合格直後)、司法試験後から修習開始までの間に少しずつ自分の力は大したことないことに気付き始め、修習中に日々それが確信に変わっていきました。修習の業務・起案などでそれを感じることは少なかったのですが、超絶優秀な同期が何人も周りにいたので、内心では日々劣等感のようなものを抱いていました。頭の良さでは彼らに絶対勝てないので、間違ってもそこで勝負してはいけない業界なのだと思いました。「自分の弁護士としての価値」「強み」などについては1年間ずっと考えてきましたが、結局最後までわからないまま修習が終わり、このまま実務に出ることになりそうです。ただ、あえて挙げるなら、「やる気」「根性」「負けず嫌い」みたいな抽象的な精神論なのかもしれません。狭い世界で培われた「自信」が崩壊した1年でしたが、それと同時に、弁護士として泥臭く働くことの覚悟が決まった1年でもありました。修習を通じて素敵な経験を沢山積めたことは上述の通りですが、弁護士人生との関係で1番勉強になったのは、法律知識でも起案の型でもなく、自分の無能さに気付けたことだったように思います。「自信」は崩壊しましたが、これから人一倍泥臭く働けば、いつか弁護士として本当の自信を身に付けられると信じています。

 

十年後の自分、今は全く想像できませんが、この気持ちだけは忘れずに頑張って下さい!!