十年後の自分へ
お久しぶりです。アポロです。
前回の記事で「実質的な更新は今日で最後」と書きましたが、番外編として「十年後の自分へ」という記事で修習の感想や実務への意気込みを書くことにしました。というのも、今日で修習生の身分を失って明日から弁護士になるにあたり、思うことが沢山あり、それらを何らかの形で言語化したかったからです。このブログを読んでくれている方はいずれ修習を経て実務に出るはずなので、せっかくならそのような方々にも自分が今思うことをシェアしようと考えました。お時間がある方は、最後まで読んで頂けると嬉しいです。
修習の1年間は、とても充実していました。素敵な同期達や法曹の方々と出会えたこと、修習以外の場でも交流を広げられたこと、沢山ある時間を活かして英語や簿記会計の勉強ができたこと、沢山の本を読めたこと、挙げるとキリがないですが、とにかく充実していました。ただ、所得が少ないため、金銭面では少し苦労しました。お金はないけど時間はある修習生活でしたが、精一杯エンジョイしました。ここまで来れたのは紛れもなく家族や友人のサポートがあったお陰なので、弁護士になった後で少しずつ恩返ししていきます。
二回試験については、2週間前から勉強を開始しました。使った教材は、以下の通りです。
・刑裁…刑事事実認定ガイド、講評パワポ(講評の講義まで聴き直すべきだったと反省……)
・検察…終局処分、小問の白表紙、講評パワポ(終局処分の記載例読んで型を暗記するだけ)
・民弁…民事弁護の手引き、民事弁護における立証活動、大島本、講評パワポ、和解条項
・民裁…ジレカン、事実摘示記載例集、講評パワポ(事実認定の類型だけ確認すれば余裕)
・刑弁…刑事弁護の手引き、講評パワポ(講評パワポでイメージを膨らませて書き方を確認)
さて、ここからは「実務への意気込み」です。修習の1年間は、自分の無能さに気付く場面が多く、前よりも謙虚になりました(自分で言うのはナンセンスかもしれませんが笑)。元々自分は調子に乗っていた時期があったのですが(特に予備論文合格直後)、司法試験後から修習開始までの間に少しずつ自分の力は大したことないことに気付き始め、修習中に日々それが確信に変わっていきました。修習の業務・起案などでそれを感じることは少なかったのですが、超絶優秀な同期が何人も周りにいたので、内心では日々劣等感のようなものを抱いていました。頭の良さでは彼らに絶対勝てないので、間違ってもそこで勝負してはいけない業界なのだと思いました。「自分の弁護士としての価値」「強み」などについては1年間ずっと考えてきましたが、結局最後までわからないまま修習が終わり、このまま実務に出ることになりそうです。ただ、あえて挙げるなら、「やる気」「根性」「負けず嫌い」みたいな抽象的な精神論なのかもしれません。狭い世界で培われた「自信」が崩壊した1年でしたが、それと同時に、弁護士として泥臭く働くことの覚悟が決まった1年でもありました。修習を通じて素敵な経験を沢山積めたことは上述の通りですが、弁護士人生との関係で1番勉強になったのは、法律知識でも起案の型でもなく、自分の無能さに気付けたことだったように思います。「自信」は崩壊しましたが、これから人一倍泥臭く働けば、いつか弁護士として本当の自信を身に付けられると信じています。
十年後の自分、今は全く想像できませんが、この気持ちだけは忘れずに頑張って下さい!!
十年後の受験生へ
今日は「十年後の受験生へ」というテーマで、自分のツイートをまとめます。
十年後には傾向が大きく変わっているかもしれないし、予備試験自体がないかもしれません。ただ、それでも司法試験に合格するための根本的なテクニックは変わらないはずなので、ここに書いてある内容の大半は十年後でも妥当すると思います。
ブログを始めてから約2年、実質的な更新は今日で最後です。
なお、このブログ自体は、今後も消さずに残しておきます。
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〜総論〜
・高校生の時、試験中に関係ないことを考えてしまう癖があり、「集中できない!」と悩んだ時期があった。 入試本番も関係ないことを考えてしまったが、結果的には合格できた。 自分はそこまで集中できなくても問題ないと気付き、気が楽になった。 予備・司法の本番も、実はそこまで集中できなかった。これは他人に言ったことがないので、どこまで共感してもらえるかわからない。 ただ、「集中できない!」と思えば思うほどパフォーマンスが落ちた気がするので、似たような悩みを持つ人がいれば、ありのままの自分を受け入れると気楽になると思う。 集中力MAXでなくとも、実力は発揮できる。似たようなことは、「緊張」にも当てはまる。 緊張していること自体は全く問題なくて、むしろ正常。 緊張している自分を客観視して、「今緊張しているな〜」とありのままの自分を受け入れる。 「緊張している=やばい」みたいに結びつけてしまうと、パニックに陥りやすいのだと思う。
・伊藤塾長の1番好きな言葉を載せる(正確な引用ではないが)。 「私は何千人・何万人という合格者・不合格者を見てきたが、確実に言えるのは『その人にとって1番良いタイミングで受かる』ということ。もし今回の試験に受からなくても、それは貴方にとって1番良いタイミングではなかっただけ」。自分も、令和元年予備短答に落ちたからこそ挑戦できたことが沢山あるし、落ちたからこそ出会えた人・仲良くなれた人が沢山いる。 今回落ちてしまった人も、「令和3年予備論文に落ちて良かった」と本気で思える日が、そのうち来ます。
・予備・司法で上位合格した友達に「(短期・上位)合格者の共通点は一言で言うと何なのか」聞いてみたところ、彼女は「素直さ」と言っていた。 先日のざっくとのスペースで私は全く同じことを答えたので、驚いた(彼女はスペースを聞いてない)。 少なくとも、「素直さ」はある程度重要そう。
・資格試験は所詮「点取りゲーム」でしかないので、そこを割り切れる人は早く受かる。 日々の勉強を本番で点を取るためにやれているか、問題の解き方は点を取るために最適化されているか。 この辺を常に自問自答しないと、勉強すること自体が目的になりかねない。
・本気で100点狙って勉強して初めて90点に届いたり、90点目指して勉強すると80点しか取れなかったりする。 常に自分の「本当の目標の少し上」を目指すくらいが丁度いい。
・目的地への最短経路は簡単に見つからないから、迷いながら進むしかない。
〜短答〜
・短答では網羅性が大事だけど、一部の分野は捨てても良いと思う。 自分の場合、例えば以下の分野は完全に捨ててた。 民法は先取特権と借地借家法、商法は株式振替制度 、憲法は9条など現場思考で解ける分野 、行政は行審法 、刑法は1〜34条と66〜72条。 コスパが悪すぎる分野は、捨てても問題ない。また、刑法・刑訴の学説対立問題も全然解かなかった。 知識あっても解けない時は解けないし、知識なくても解ける時は解けるって感じがしたので、一回解くのにかかる時間の割に本番との関係であまり意味のない演習な気がした。 その時間で民訴・刑訴の条文読んだりした方が、本番での得点に直結する気がする。結局のところ、「抽象度が高い(難しい)割に出題頻度が低い分野」が、自分にとってはコスパが悪いと定義できるのかも。 逆に、「具体性が高く(簡単で)出題頻度もそれなりにある分野」は、コスパが良いように感じてた。 そう考えると、一読すれば何となく意味がわかる民訴・刑訴の手続条文が最強。
〜論文〜
・論文のまとめノートに書いてある「問題文には無駄な事実は書かれていないと思って読む」について、雑な表現だったので補足する。 ここで言いたいのは、「法的な議論に引き直せる事実」に無駄なものは基本的にないということ。 逆に言えば、「背景事情的な事実」は基本的に無視して問題ない。無視するというのは極端な表現だが、一読して「ふ〜ん」と思えれば十分ということ。 問題文を読むのが遅い人は、こういう事実もしっかり読んで理解しようとしている可能性がある。 他方で、「法的な議論に引きな直せる事実」については、一読してよくわからないからといってスルーしてはいけない。「法的な議論に引き直せる事実」か否かは、条文や規範の要件に当てはめられるか否かで決まる。 商法がわかりやすいが、例えば「AはBと対立に至り〜」みたいな情報は、要件に当てはめようがないので、「背景事情的な事実」。 他方で、「議決権が〜」とかが出てきたら、要件に当てはめられるので、「法的な議論に引き直せる事実」。もちろん民法で事実関係を整理するために出てくる事実などは、条文の要件にそのまま当てはまらなくとも重要。 結局のところ、「問題文の読み方にメリハリをつけよう」「重要な事実はスルーしちゃダメ」という当たり前のことを言ってるだけなので、そんなに難しく考えなくても大丈夫。これがしっくり来なければ、普通に「重要そうな事実か」というざっくりしたメルクマールで全く問題ないと思う。
・得点に直結しない部分は極力テキトーに書くべき。 文字も綺麗である必要は全くない。 真面目な人ほど、丁寧に書きすぎて時間不足に陥っている。
・(一流の)学者が「特定の論点に対する答案の書き方」についてどう考えているかを知るのは、非常に重要だと思う。 「受験生はこういうミスしがち」「こういう書き方は勘弁してくれ」という共通認識が意外とある。 そして、簡単に差をつけるために、その問題意識がそのまま試験に出ることは結構ある。
・予備論文に落ちてしまった人は、成績表と再現答案を用いた分析が来年の合格に必要不可欠。 「自分は誰よりも分析した!」と自信を持って言えるまで、時間をかけて徹底的に分析すべき。 ここをテキトーに終わらせる人は、来年も運に身を任せることになり、多分落ちる。ここでの分析は「具体的に言語化する」ことが重要なので、最低でも自分の言葉で敗因(勝因)をまとめる必要がある。 第三者が聞いても納得できるレベルだと尚良いので、ブログやTwitterに詳細な分析を書いたり、合格者や受験生と議論するのも有効。 とにかく「具体的に」言語化すべき。
・予備論文の過去問は、実務を除けば、刑法の過去問が最重要。最も安定した得点源にしやすく、同じ論点が繰り返し出題される。刑法は可能な限り書くべき。 次に重要な順に、行政→刑訴→商法→民訴。 民法と憲法は、過去問の重要度は低い。民法は重要度が高い年度だけ、憲法は令和以降を書けば十分。
・教授に以下のような罪数処理を教わった。「最高裁が牽連犯と認めたものは牽連犯で、それ以外は併合罪。 包括一罪はとりあえず何でもぶちこめるゴミ箱。最高裁含めて理論的根拠が不明なものが多い」。 受験生が罪数を現場で色々考えても仕方ないので割り切るべき。罪数処理を間違えても大した減点ではない。
・「過去問の後追い」をしないように気をつけるべき。 過去問の後追いとは、「過去問解く→解けなかった論点覚える」みたいな勉強。過去問演習は抽象的なレベルでポイントを抽出しないと、二度と出ない問題の解答を覚えるという愚行になる。
・「逆答案構成」とは、 解答例の各段落を1行以内に要約して紙に書くこと。これにより、答案の骨組み・問題のエッセンスを理解でき、要約力もつく。そしてこれを極限まで簡略化したのが普通の答案構成。つまり、逆答案構成ができると答案構成ができるようになり、答案構成に肉付けすると答案になる。
・ネタ本について言うと、『刑法事例演習教材』からは未だによく出る。 『ロジカル演習民事訴訟法』から令和3年の司法試験は結構出た。 『会社法事例演習教材』も網羅性がえぐいので、結構ここから出る。『事例で考える会社法』も、令和2年・令和3年の司法試験の関連論点が掲載。 他に露骨なネタ本はないと思う。
・憲法の違憲審査基準について、 受験テクニック的には、とりあえず中間審査基準で書くのが安全。 普通の受験生が判例の基準を使いこなせるとは思えないので、やめた方が良いと思う(この点はstudyweb5さんと反対の意見)。 憲法は理論ではなく当てはめで勝負すべき。
・予備受験生が新司過去問やるなら、刑訴・行政は、予備に未出の論点をおさえる目的でやる。 憲法は、得点の取り方を知るために憲法ガールでやる。 商法・民訴は、余裕があれば、予備に未出の条文・論点をおさえる目的でやる。 民法・刑法は無視して良い。 いずれもマストではないが、役に立つ。
・予想より評価が低い科目があった人は、まずは「法的三段論法ができているか」を徹底的に確認すると良い。
・「自分基準で考えて答案を書く人」は、実力があっても落ちやすい。なぜなら、その時々の思考回路・閃きによって書く内容が変わるから。 試験である以上、客観的視点から、問題文の事実・その奥にいる出題者と向き合うことが重要。出題者は、貴方の個性を求めてません。
・「現場思考」の意味を勘違いして試験の現場で思い付いたことをとりあえず書く人は、極端に合格しづらい試験。 それが予備試験・司法試験。 上位合格者ほど、皆同じような思考プロセスで、皆同じようなことを書く。
・現場思考論点の「正解」しか教えない予備校の過去問講座に、何の意味があるのか。 同じ論点が出る可能性は低いから、汎用性のある思考プロセスを教えなければ意味がない。 加藤喬先生・studyweb5さん・川崎直人さん辺りはこの点を強く意識されているので、非常に参考になる(あと私のブログも笑)。
・新司法試験の憲法は、H29・R1・R2しか答案を書いてない。 ただ、憲法ガールは何十周もしたので、各年度の解説はほとんど覚えてた。 自分の場合、一回だけ答案を書いた問題よりも、何十回も解説を読んだ問題の方が長期的には記憶に定着した。 人によっては必ずしも沢山答案を書く必要はないと思う。
・新司法試験過去問は、直近1〜3年分を全科目解いた後に、優先順位の高い科目・年度から順に解くべき。 科目の優先順位は、行政≧刑訴>憲法>商法≧民訴>刑法>民法。 年度の優先順位は、加藤先生のランク付けが参考になる。 がむしゃらに全部解くのは、非効率。
・今年の予備論文で憲法Aだった方の再現答案を見せてもらったが、自分の答案と雰囲気が似ていた。 抽象論は簡潔にポイントに触れていき、あてはめに入った途端に圧倒的な量の事実を書き写し、何とか自分なりの評価をねじ込んでる感じ。 抽象論では物足りない部分もあったが、これは余裕でAだと思った。逆に、評価が悪い憲法の答案を見てると、抽象論とあてはめのバランスが非常に悪い。
・司法試験委員会は、予備論文の成績を曖昧にしか通知しないことで、採点基準を必死にブラックボックス化しようとしている。 再現答案と成績の関係性を調べてそれを解明するのは、暗号の解読みたいで楽しいので、挑戦する価値はあると思う。 その過程で色んなことに気づき、違う景色が見えてくるはず。
・憲法では、難しい憲法論はわからなくても、判例を一つも引用しなくても、事実の摘示(評価)を徹底すれば上位になる。 判例・憲法論に加えて、点の取り方を学ぶことも重要。
・憲法の処理手順は、 ①事案を読んで使えそうな事実全てに番号を振る 、②答案構成(目的手段審査)の適切な位置に各番号を落とし込む 、③それに従ってひたすら書く、という完全なる作業だった。 現場では何も難しいことは考えてないし、基本的に事実ベースでしか書いてないから、再現するのも簡単。
・憲法が苦手な人は、状況を具体的にイメージして下さい。素人的な目線を持って下さい。頭でっかちにならないで下さい。
・個人的には「一文が長い」よりも、以下のような文章の方が問題だと思う。 まず、無駄に句読点が多いと、一々立ち止まるため厳しく採点されそう 。また、一つの段落で2回以上逆接を使うと、「論理わかりづらいから改行してよ!」と思う。読み直す時はこの2つが多い印象。そもそも事実を摘示すると一文が長くなるのは当たり前なので(だからこそ判例等も長い)「一文が長い」という指摘それ自体少しズレてる気もする。 「〜という状況において、〜であり、〜とも思えるが、〜ということも考慮すると、〜である。」みたいな文章は、論理がわかりづらいのが問題の本質だと思う。
・予備論文のボーダーラインを探るのは本当に難しいので、上位合格することを目標にした方が、多少計算がズレてても合格できるので良い。
・規範の明示すらできておらず、形式的にも法的三段論法が崩壊している答案が低評価なのは明らか。また、 一見すると法的三段論法で書けているような答案でも、規範と摘示した事実が対応してなかったり、規範に関係ない「それっぽい」ことまで勢いで書いてしまう人は結構いる。法的三段論法を死守する意識があれば、あてはめ段階でのミスは減る。 令和3年の予備刑訴でも、長い規範の割にそれに対応した事実を拾えてない人が結構いたが、これも上記意識が低いことに起因する。 あてはめを書く時は常に規範をチェックして「ズレ」や「漏れ」がないか確認すると良い。「規範は暗記してきたものを書いて、あてはめは自分の言葉である程度自由に書こう」と思ってる人がいるかもしれない。しかし、 実際は規範と問題文の事実にガッチガチに縛られるし、事実の評価さえも出題者が想定してそうな無難なことを書くので、極論を言えば、自由に書く余地なんてほとんどない。
〜口述〜
・ 私が泊まったのは、「イビススタイルズ東京ベイ」。とにかく会場から近く、部屋から会場が見えた。特に不満もなく、非常にお勧め。ただ、机は確かに微妙だったので、人によっては気になるかも(私は机を使わずに勉強することも多いので気にならなかったが)。論文に合格してる可能性が少しでもある人は、今すぐホテルを予約すべき。万が一落ちてもすぐキャンセルすれば一円も取られないはず。
・口述は結構ミスっても122点(22位)だったので、やはり相当やらかさない限り落ちない。 口述再現を見ると「これでギリギリ!?」「これで不合格!?」と思うかもしれないが、多くの場合、本当にやらかした部分は(無意識に)短くまとめたり省略してると思う。 過度に怯える必要はない。
・①抑揚、 ②自信を持って話す、 ③アイコンタクト の3つを実践するだけで、相当に印象が良くなる。 自分がかなりミスった割に点数が良かったのは、印象が良かったからかもしれない。 主査・副査も人間なので、こういう非本質的な要素で点数が変わる可能性はある。
・①端的に答える。長々と答えられると、主査としては非常にやりづらい。 ②素直に誘導に乗る。「本当ですか?」等と言われたら高確率で自分が間違えてる。深読みしすぎない。 ③デタラメは言わない。沈黙は良くないが、的外れなことを言われると主査も誘導できない。
・主査と会話をして、台本を進め、最後まで行くこと。落ち着いていけば大丈夫。 偉い先生の個別指導を受けられる貴重な機会。 緊張するのは当たり前なので、全く問題ない。
・1日目の民事が終わった時点では「もしかして59点かも…」と思った。 その日は基本刑法を読んで、少しモヤモヤした気持ちで寝た。 次の日の朝、伊藤塾長に話しかけたら「今日が1日目だと思って行こう!」と言われ、一気に気持ちが切り替わった。
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貴方が本当に合格を望んでいるなら、予備試験なんて簡単です。
【令和4年版】予備試験の論文過去問に重要度ランク付けてみた
今日は、「令和4年予備試験との関係での予備過去問の優先順位」について書きます。そもそも、私は、過去問から学ぶべきことは大きく2つだと考えます。
1つ目は、「どのような知識が問われているかを学ぶ」ということです。過去問で問われた知識は基本的に知らないといけませんし、どのレベルの知識が、どのような角度から問われるのか、ということを学べれば、出題予想も立てやすいからです。
2つ目は、「体験する」ということです。やはり予備試験と完全に同質の問題を予備校が作ることは不可能であり、試験のレベルより答練等のレベルの方が遥かに低いこともあります(難易度・時間制限等)。また、民事系科目については、予備試験と答練等では頭の使い方が若干違います。そのため、民事系科目では特に過去問の必要性を感じます(その他の科目は答練と本番の質にそれほど乖離はない気がする)。
もっとも、過去問を全て書くというのは、多くの受験生にとって事実上不可能であるし、流石にその必要はないと思っています。そこで重要になるのが、「ランク付け」だと思います。そこで、以下のように独断と偏見でランクを付けてみたので、参考にしてみてください。基準としては、①再度の出題可能性があるか、②予備試験特有の頭の使い方が学べるか、③難しすぎないか、という観点から主にランク付けしています。
Aランクの問題については、特にまだ書いたことない人は答案作成するのが望ましいです。時間がなくても答案構成はした方が良いです。Bランクの問題については、答案構成するのが望ましいです。時間がなくても問題と解答例には目を通した方が良いです。Cランクの問題については、問題と解答例に目を通せば十分です。時間がなければスルーして良いです。
以下のランク付けは、あくまで私の独断と偏見に基づいています。「このランク付けが絶対に正しい」等と言うつもりは全くありません。なので、違和感のあるランク付け・納得のいかないランク付けがあれば、もちろんご自身の直感・考えを優先して下さい。その点だけは、重ねて強調しておきます。
〜憲法〜
・平成23年…B(平等権は再度出題される可能性高い)
・平成24年…C(統治)
・平成25年…B(難問)
・平成26年…B(人権選択の練習)
・平成27年…C(統治)
・平成28年…B(難問)
・平成29年…B(財産権はしばらく出ないはず)
・平成30年…B(ちょい統治)
・令和元年…A
この年から形式が変わったので、言うまでもなく超重要。事実を拾う感覚も体験できる。
・令和2年…A
令和元年同様、二者間形式の問題として超重要。表現の自由という頻出分野からの出題なので、令和元年よりも汎用性のある問題として重要度が高い。事実を全部拾うこと・対立軸を沢山抽出すること・可能な限り適切な評価を加えること、を意識して欲しい。
・令和3年…A
〜行政法〜
・平成23年…A(処分性・義務付け訴訟)
・平成24年…A(本案勝訴要件)
・平成25年…B(仮の救済・原告適格)
・平成26年…C(謎の形式・難問)
・平成27年…B(処分性・信義則)
・平成28年…A
裁量基準に関する論点は、司法試験では超頻出。令和3年司法試験でもこの論点はカスっているが、正面から問われたわけではないので、予備試験にも出題される可能性はある。時間的にタイトな問題なので書く練習にもなる。併せて「個別審査義務」の出題パターンも要復習。
・平成29年…B(品川マンション事件・原告適格)
・平成30年…B(処分性・本案勝訴要件)
・令和元年…A
来年の予備試験は、原告適格の出題可能性が極めて高い。というのも、令和2年司法試験・令和2年予備試験・令和3年予備試験で処分性が問われ続けているため、そろそろ原告適格が出題されるはずだからである。平成25年・平成29年にも原告適格は出題されているが、主張反論形式ではない平成25年・品川マンション事件の癖が強い平成29年より重要度が高い。また、令和元年は、あえて非常に書きにくい設問にしており、近年の傾向にも沿う。
・令和2年…B(行政契約・処分性)
・令和3年…B
〜民法〜
・平成23年…A(良問)
・平成24年…C(謎の形式・難問)
・平成25年…A(旧民法への問題提起)
・平成26年…A(契約不適合)
・平成27年…A
共有に関する条文が改正されるので、共有に関する条文・論点は再度狙われる可能性がある。また、事案がやや複雑であること・具体的妥当性を図る必要があることから、正に予備試験民法の真骨頂ともいえる問題である。この頭の使い方は、答練・模試で学ぶのは困難。
・平成28年…B(損害ゲー・難問)
・平成29年…A(良問)
・令和元年…A
平成27年と同様に事案がやや複雑であることに加え、ややマイナーな条文の要件に当てはめることが要求されるので、現場思考型問題の良い練習になる。令和3年司法試験で準委任が出題されたように、予備試験でもややマイナーな条文の当てはめが求められる可能性がある。また、当事者の生の主張から法律論を組み立てる必要があるので、その辺の感覚も確認できる。
・令和2年…B(代理・債権者代位・詐害行為取消)
・令和3年…B
〜商法〜
・平成23年…A
条文操作に失敗すると論点が出てこないので、改めて条文の重要性を確認できる。商法の典型論点は、周辺の条文を確認しながら復習したい。また、設問2に現場思考の難問が出題されており、令和2年の雰囲気に近い。再現答案を分析して、現実的な合格答案のレベル・現場での正しい振る舞い方を確認したい。
・平成24年…A(ちょい手形)
・平成25年…B(多論点)
・平成26年…B(やや難問)
・平成27年…A(事業譲渡)
・平成28年…A(ちょい手形)
・平成29年…B(仮装払込み)
・平成30年…A
設問1が現場思考・設問2が単純な条文操作という順番であり、令和2年とは逆とも言える。このパターンの正しい振る舞い方も確認したい。具体的な数字に食らいつく姿勢は商法で重要なので、その意識を再確認したい。
・令和元年…B(やや難問)
・令和2年…B(多重代表訴訟)
・令和3年…B
〜民事訴訟法〜
・平成23年…B(死者名義訴訟)
・平成24年…A
非常に難しいが、既判力の理解を深めるには良い問題。既判力の書き方も確認したい。
・平成25年…B(債権者代位訴訟)
・平成26年…B(訴訟承継)
・平成27年…B(費目の流用・一部請求)
・平成28年…B(弁論主義)
・平成29年…B(将来給付の訴え・相殺の既判力)
・平成30年…B(複雑訴訟)
・令和元年…A
独特の出題とも言えるが、令和2年司法試験にも似たような頭の使い方をする問題があった。問いかけから論理的に考え、それを上手く表現できないと、論点に繋げられない。何を書くかよりも「どう書くか」という部分にこだわって欲しい。民訴はこういう部分で差がつく科目。
・令和2年…B(訴えの利益・既判力)
・令和3年…B
〜刑法〜
・平成23年…A(因果関係)
・平成24年…A
典型論点の組み合わせの中に応用論点が入っており、非常にバランスの良い問題。意外と書くことが多く、油断していると時間不足になる。刑法が論理の科目であることを確認し、「矛盾しそうなことは絶対書かない」という意識を強く持ちたい。
・平成25年…A(共謀の射程)
・平成26年…A
とにかく論点が多く、本当に時間が足りない。この問題を時間内に書ければ、本番は余裕。
・平成27年…B(賄賂)
・平成28年…B(放火)
・平成29年…A(因果関係)
・平成30年…A(共謀の射程)
・令和元年…B(横領と背任の区別)
・令和2年…B(詐欺)
・令和3年…B
〜刑事訴訟法〜
・平成23年…B(差押え)
・平成24年…A
強制処分の処理手順を確認したい。予備試験にはしばらく出てないので、来年こそ出そう。
・平成25年…B(難問・平成29年に焼き直し)
・平成26年…A
重要論点を詰め込んだ問題で、最後の秘密録音をどこまで書くかが非常に悩ましい。こういう出題がされた場合に「何を削るべきか」という現場での感覚みたいなものを磨いて欲しい。
・平成27年…A(写真撮影・伝聞法則)
・平成28年…B(再逮捕再勾留・同種前科による立証)
・平成29年…B(現行犯逮捕・訴因)
・平成30年…B(所持品検査・違法収集証拠排除法則)
・令和元年…B(違法逮捕後の勾留)
・令和2年…C(一事不再理)
・令和3年…B
〜法律実務基礎科目(民事)〜
・平成23年…B
・平成24年…B
・平成25年…B
・平成27年…A
・平成28年…A
・平成29年…A
・平成30年…A
・令和元年…A
非常に簡単なので、制限時間より余裕を持って書き終えたい。こだわって欲しいのは、準備書面問題。ここは深く分析する価値がある。
・令和2年…A
令和元年同様、準備書面問題にこだわって欲しい。時間がなければここだけ書くのもアリ。
・令和3年…A
〜刑事実務〜
・平成23年…B
・平成24年…B
・平成25年…B
・平成26年…B
・平成27年…A(この年から出題傾向が変わった)
・平成28年…A
・平成29年…A
・平成30年…A
・令和元年…A
事実認定問題にこだわって欲しい。
・令和2年…A
事実認定問題にこだわって欲しい。
・令和3年…A
口述のまとめノートを公開します
第1 持ち物
受験票、スーツ、アイマスク、充電器、傘、ハンカチ、衣類、時計、髭剃り、水、目薬、メガネ、コンタクト、マスク、予備試験用法文、大島本、民事赤本、基本刑法各論、定義集
第2 戦略
・主査と会話をして、台本を進め、最後まで行くこと。落ち着いていけば大丈夫。
・偉い先生の個別指導を受けられる貴重な機会。
第3 流れ(総論)
1 開始まで
①ドアの前で深呼吸
②2回ノック→チーン
③ドア開ける&閉める
④「失礼します」(言ってからお辞儀、手は横に、主査も副査も見る)
⑤椅子まで進む
⑥「◯室◯番です。よろしくお願いします」(言ってからお辞儀、手は横に、副査も見る)
⑦(「それでは着席して下さい」→)「はい」→椅子を両手で引く→着席
2 質疑応答
・背筋を伸ばし、手は膝に、脇を締め、足は真っ直ぐ、主査の方も見る!(堂々とする)
・多少痒くても、顔や髪を触らない!(我慢する)
・パネル・法文は両手で持つ!(時々顔を上げる)
・基本的に主査の方だけを見る!(副査が話し始めたら副査の方を見る)
・語尾まではっきりと言う!
・「え〜」「そうですね」を言いすぎない!
・文末は「〜です」「〜ます」で断定する!(◯「〜と考えます」、×「〜と思います」)
・わからなければ遠慮なく聞き返す!(「恐れ入りますが」を枕詞につける)
・質問には、「はい」と一拍置いてから、端的に答える!(二択で迷っても結論ファースト)
・大きな声でゆっくり話す!(語気は強めで良い)
・わからなくても焦らない!(受験生は皆できない)
・結論がわからなくても、問題の所在等何か話す!(「わからないです」はもったいない)
・余計なことは話さない!(聞かれてもないのに「定義はわからないのですが〜」等)
・キーワードがある場合、それを先に言う!
・聞き返されたら何でも撤回するのは良くない!(自信がある部分は維持することも大切)
・「撤回します」と言う場合、簡単な理由も言う!(「事案を勘違いしておりました」等)
・法文参照するように言われたら、「はい、参照します」と言う!(一回開いたら閉じる)
3 終了
①パネル・法文を元に戻す
②椅子から立つ→椅子を元に戻す→「ありがとうございました」(言ってからお辞儀)
③ドアの前に行く→「失礼します」(言ってからお辞儀、手は横に、副査も見る)
第4 民事
1 請求の趣旨
・遅延損害金は、「◯◯円及びこれに対する『◯年◯月◯日から』支払い済みまで」
・「訴訟費用は被告の負担とする」
・「この判決は仮に執行することができる」
2 訴訟物
・「返還請求権」と「妨害排除請求権」の言い間違いに注意
・複数ある場合・付帯請求・保証の訴訟物の個数に注意
3 請求の原因
・「請求の趣旨」との聞き間違いに注意
・権利自白に注意
4 抗弁・再抗弁
・複数ある場合に注意
・請求原因で現れている事実には注意
・日にちに注意(時効)
・予備的請求原因になる理由が聞かれたら、再抗弁の定義を言い、三段論法
5 保全・執行
・訴訟引受・別訴提起という不都合
・被保全債権に着目
・差し押さえられる物が複数あるかも
6 手続
・公示送達に要注意(被告の住所不明の場合にする、擬制自白は成立しない)
7 立証
・「署名」については二段の推定は働かないので要注意
8 法曹倫理
・説明義務(受任一般→29条1項、不利益事項→32条)に要注意
第5 刑事
1 刑法
・事案を超集中して聞く(事情を付け足したり、知っている判例に引きつけたりしない)
・目立つ言い回し・強調している箇所・キーワードには意味があるので、敏感に察知する
・事案の把握が超重要なので、わからなければ必ず聞き返す
・主観的構成要件(故意・不法領得の意思)も忘れない
・刑の不均衡について突っ込まれた場合、「量刑上考慮すれば足りる」は便利
2 手続
・自信がある部分は条文まで言っても良い
・伝聞例外の要件は、まずは「署名又は押印」を言う
3 法曹倫理
・問題点が複数の可能性あり
・わからなければ、とりあえず依頼者の利益を優先
論文のまとめノートを公開します
第1 持ち物
受験票、受験バーコードシール、ジェットストリーム×2、替芯、各科目の論証集、時計、水、キットカット、おにぎり×2、目薬、メガネ、コンタクト、マスク
第2 戦略「①気合で②時間内に③三段論法をして④点を拾う」
1 ①気合で
・気持ちで負けない。終了の合図があるまで諦めない。
2 ②時間内に
・答案作成過程の全ての工程を最適化する。分からないところは割り切る。
3 ③三段論法をして
・メインは必ず三段論法。条文中心思考。要件効果思考。正確性。感情論・政策論の排除。
4 ④点を拾う
・難しいが配点が低そうな部分にはこだわらない。途中答案には絶対にしない。
↑この辺は尊敬する先輩のものをほぼコピペしました
第3 答案作成処理手順
1 ざっと全科目の問題を読み、各科目にかける時間を調整する
・時間配分はあくまで「原則」→問題の難易度次第では柔軟に調整する必要
・1科目の設定時間も「死守」→次科目の時間が減り点数が下がるのを避ける
・時間配分
①公法
・09:30〜09:40…憲法構成、09:40〜09:50…行政法構成
・09:50〜11:00…憲法作成、11:00〜11:50…行政法作成
②刑事
・13:15〜13:30…刑法構成、13:30〜13:40…刑訴構成
・13:40〜14:45…刑法作成、14:45〜15:35…刑訴作成
③般教
・16:30〜16:50…全体構成、16:50〜17:05…設問1作成、17:05〜17:30…設問2作成
④実務
・09:30〜09:45…民事構成、09:45〜10:00…刑事構成
・10:00〜11:15…民事作成、11:15〜12:30…刑事作成
⑤民事
・14:00〜14:15…民法構成、14:15〜14:30…商法構成、14:30〜14:40…民訴構成
・14:40〜15:35…民法作成、15:35〜16:40…商法作成、16:40〜17:30…民訴作成
2 配点・問い・問題文の最後を見る
・各設問の配点・答案の結論となる部分を囲む
3 問題文を読む・事案分析
・読み飛ばさないように読む(ページをまたぐ場合は最後の事実の読み落としに要注意)
・よくわからない事情は、後の事情とリンクする可能性あり
・素人的感覚で読み直すことも有効
4 答案構成・分量配分
・①主張を把握、②条文(なければ解釈)から要件・効果を導く、③あてはめ、④結論
・事実関係や問題の所在がよくわからなければ、曖昧にせず、必ず図を書いて整理する
・事情には番号を振り、または、囲んで強調し、漏れなく使い切ったかを確認する
・落としがちの論点→アンテナを張っておく
5 答案作成
・得意分野が出題された時こそ、端的に書く(知識をひけらかして冗長になるくせあり)
・最初から最大の速度で書く(前半が冗長で後半が雑になるくせあり)
・基本的な部分は丁寧に書き、応用的な部分は簡潔に書く(欲張らない)
・時間がなくなったら規範の「理由」とあてはめの「評価」を削る
・1問目であっても書きすぎない
・全部の文章に「なんで?」というツッコミをいれる
・ナンバリングは適当でいい
・問題提起では、具体的かつ端的に議論の実益を示す(理解していることをアピール)
・あてはめは、事実の抽出(コピペ)+評価(経験則)
・個々の事情が「規範との関係でいかなる法的意味を持つのか」を評価する
・結論は、必ず規範と一致させる
第4 現場対応(自問自答)
1 問題文の事情から瞬間的に論点を想起できた
→「本当にその論点は出てくるのか?問題文や条文の都合の良い部分だけ読んでないか?書くとしてもそれがメイン論点なのか?」
2 Aという筋とBという筋で迷う
→「出題者が聞きたいことは何だ?アクロバティックな構成になってないか?どっちが書きやすい?」
3 何を書けばいいかわからない
→「問題文を一言一句読んだか?誘導やキーワードはないか?この問題における『正解』は何だ?他の受験生は何を書く?」
第5 心得(10箇条)
- 正しい論点抽出が最重要(拾っていない事情があるときは論点落としを疑うべき)
- 次に当てはめの充実度
- 現場思考問題でも三段論法だけは死守
- 定義は正確に
- 細かい条文もしっかり引用(条文の文言も可能な限り引用する)
- 理解を示すため、原則・例外を明確に示す
- 皆書きそうな論点は迷ったら書くようにする(深読みしすぎず、迷ったら一言認定)
- 論点に至るまでの問題提起は簡潔に
- やったこと以上のことを示そうとしない(当たり前のことを簡単に普通に書く)
- 思考が採点者に伝わる最低限の論述で十分
↑この辺は「低空飛行東大ロー生」さんのツイートも参考にしました【予備試験のA評価答案の特徴🔥】
— 低空飛行東大ロー生 (@law_usagi) 2020年6月10日
私の成績はA評価4つ、EFが1個ずつというものでした。
そのためどのような答案が評価され、逆にされないのか分かりました。
以下その所感。
•正しい論点抽出が最重要
•次に当てはめの充実度
•ナンバリングは適当でいい
•三段論法だけは死守#予備試験
第6 過去問分析(及び模試反省)
1 憲法
・人権設定・目的の認定は慎重に
・保障・制約・正当化の全てのレベルで争点がないか検討する(特に制約の態様)
・一つの争点を大展開するのではなく、一つずつが薄くても、全ての争点を展開する
・複数の人権が出てくる時は、問題の空気を読んで書く分量を調整する
・とにかく事実を拾い、一言でも評価を加える(反対方向の事実も積極的に探して拾う)
2 行政法
・「誰の立場から、いかなる主張・反論をすべきか」という出題形式を徹底的に守る
・主張反論については、「端的な主張→端的な反論→規範定立→当てはめ→結論」で十分
・原告の不満や主張部分・反論に使える事実は囲んで強調し、何とか答案に反映させる
・現場思考問題でも、問いかけをよく読み、答案の大枠だけは外さないようにする
・とにかく条文を使って論理を説明する(特に処分性・原告適格・違法性の承継)
3 刑法
・冒頭の問いかけをよく読む(「誰への罪責?」、「どの行為?」、「検討不要な犯罪は?」)
・事務処理能力が強く問われていることを忘れない
・省略できる部分は積極的に省略して雑に書き、争いのない要件は端的に認定する
・錯誤、窃盗・強盗の機会は要注意
・論理的一貫性に要注意(矛盾しそうなことは書かない)
4 刑事訴訟法
・判例の事案との距離感を意識した論述をする(判例の理解をアピールする)
・伝聞例外の条文選択は慎重に
5 法律実務基礎科目(民事)
・準備書面は、「証拠から認定できる事実」と「当事者間で争いのない事実」から書く
6 法律実務基礎科目(刑事)
・簡単な問題で書きすぎず、難しい問題は諦め、事実認定の問題は死守する(証拠使い切る)
7 民法
・事実関係・当事者の主張を正確に把握する(生の主張・反論から考えて法律構成する)
・問題文のヒントに敏感になる(「問題文には無駄な事実は書かれていない」と思って読む)
・論点までの道筋を丁寧に説明する
・「正解」を探さず、悩んだら一言書く
・具体的妥当性を図る
8 商法
・問題文のヒントに敏感になる(「問題文には無駄な事実は書かれていない」と思って読む)
・何が問われているのか一見して不明な時は、事実関係を整理し、その問題の所在を探す
・わからない時は落ち着いて周辺の条文を探し、それでもわからなければ無視して進める
・条文の要件は丁寧に検討する
・できるだけコンパクトに書く(争いがない論点は展開しない)
9 民事訴訟法
・問題文のヒントに敏感になる(「問題文には無駄な事実は書かれていない」と思って読む)
・処分権主義・弁論主義・既判力の問題は、原則論を丁寧に説明する(合否はそこで決まる)
短答のまとめノートを公開します
第1 持ち物
受験票、受験バーコードシール、鉛筆、鉛筆削り、消しゴム複数、判例六法、時計、水、キットカット、おにぎり×2、目薬、メガネ、コンタクト、汗拭きシート、マスク、上着
第2 テクニック
・解き方
①順番に解いていく(悩んだら飛ばす)
②飛ばした問題を落ち着いて解く
③マークミス等の凡ミスがないか確認
④一周目で丸つけた怪しい問題を解き直す
⑤自信のない選択肢を含む問題を解き直す
・マークミスに注意!こまめに確認!しつこく確認!特に問題を飛ばした時は要注意!
・凡ミスに要注意!特に刑法と刑事訴訟法!(「正しいもの」→○、「誤っているもの」→×)
・自信のない・解いていない問題は問題番号を囲む
・「絶対に」「必ず」「例外なく」「矛盾する」→不正解の確率が高い
・「原則として」「○○すれば○○になる」「○○となる場合がある」→正解の確率が高い
第3 内容
1 民法
・不在者が管理人置かない→利害関係人or検察官の請求で家裁が必要な処分を命じる
・永小作人は不可抗力で損失受けても小作料の免除や減額請求できない
・不動産工事の先取特権→工事を始める前に登記
・詐害行為取消による価額償還→賠償額は事実審口頭弁論終結時を基準として算定
・連帯債務者に資力ない者いる&求償者と他の資力ある者が負担部分ない→分割して負担
・債務者と引受人で併存的債務引受→債権者が引受人に承諾した時に効力生じる
・供託は債務の履行地の供託所でする
・弁済期の定めのない債権を自働債権→相殺可能(催告・履行遅滞は不要)
・不動産の贈与→所有権移転登記→履行終了(引渡しの有無を問わない)
・定期贈与→贈与者or受贈者の死亡→×
・被用者の失火に重過失→使用者は選任・監督に重過失なくても責任負う
・不適法な婚姻→各当事者・親族・検察官から家裁に取消請求できる
・認知の判決確定→第三者効→反対の事実を主張して認知無効の訴えを提起できない
・子が父or母と氏違う→子が家裁の許可得て届出→父or母の氏を称することができる
・自己又は配偶者の直系卑族である未成年者を養子とする縁組→家裁の許可不要
・離縁の届出が成年の証人の署名を欠く書面によってなされたが、誤って受理→有効
・未成年後見人の指定なし→未成年被後見人or親族or利害関係人の請求→家裁が選任
・廃除され得るのは遺留分を有する推定相続人
・成年被後見人が事理弁識能力を一時回復した時の遺言→医師2人以上の立会いが必要
・遺留分で受遺者が複数→後の贈与に係る受遺者から前の贈与に係る受遺者が負担
2 商法
・代表取締役の退任登記後にその者が会社代表者として取引→民法112条適用の余地なし
・商人間の売買で受領拒絶か受領不可能→売主は供託か競売できる(裁判所の許可不要)
・商人間の売買で買主が解除→売主の費用で保管か供託
・設立費用が定款に記載され創立総会で承認→会社が負担して発起人は負担しない
・発起人等の不足額支払義務
①発起設立
検査役の調査受けた、又は、注意を怠らなかったことを証明
→発起人と設立時取締役は義務を負わない(現物出資者と財産の譲渡人は義務を負う)
②募集設立
検査役の調査を受けた→上記義務を負わない(無過失責任)
・会社不成立→発起人(×設立時取締役、×株式引受人)の連帯責任(無過失責任)
・新株予約権者となるのは割当日
・新株予約権の消却or行使不可→消滅
・機関の設置
①取締役会設置会社は監査役を置く(ただし非公開の会計参与設置会社では不要)
②会計監査人設置会社は監査役を置く
③監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社は会計監査人を置く
④大会社かつ公開会社→監査役会・会計監査人を置く
(ただし監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社では不可)
⑤大会社かつ非公開会社→会計監査人を置く
・監査等委員会設置会社の取締役の任期は1年(ただし監査等委員である取締役は2年)
・監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社→株主の役会招集不可
・取締役が6人以上かつ1人以上が社外取締役→特別取締役を置ける
・会計監査人が取締役の不正行為を発見→監査役に報告
・会計監査人の報酬は、監査役の同意を得て、取締役が定める
・監査等委員会→会計監査人の選任及び解任に関する議案の内容を決定(株主総会で選任)
・取締役会設置会社→総会招集通知→計算書類・事業報告・監査報告・会計監査報告を提供
・純資産額(×資本金)が300万円を下回る→剰余金の配当できない
・裁量棄却ができるのは、招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反する場合のみ
・持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる
・受取人の記載のない白地手形が引渡しによって譲渡→17条適用
・不当補充の悪意重過失の立証責任は、振出人にある
・変造前の文言の立証責任は、所持人にある
・時効期間
①約束手形の振出人に対する債権→満期の日から3年
②遡求権→拒絶証書作成の日から1年(作成免除の時は満期の日から1年)
③再遡求権→手形受戻しの日or後者から償還の訴えを受けた日から6ヶ月
*支払猶予の特約→猶予期間が満了した時から消滅時効は進行
3 民訴
・第一審裁判所で当事者の申立て及び相手方の同意→必要的移送
・審理の計画→争点整理の時期、尋問の時期、口頭弁論終結及び判決言渡しの時期を定める
・書面による準備手続は、裁判長が行う(高裁では受命裁判官に行わせることができる)
・裁判所は、訴訟の継続中に限り、職権で、証拠保全の決定をすることができる
・当事者が文書提出命令に従わない→記載に関する相手方の主張を真実と認める
(他の証拠による証明が著しく困難→事実に関する相手方の主張を真実と認める)
・裁判官が代わった→当事者は従前の口頭弁論の結果を陳述
・単独の裁判官or過半数の裁判官が代わった→当事者の申出→前に尋問した証人の尋問
・簡裁は、証人尋問・当事者尋問・鑑定人意見陳述に代え、書面の提出させること可能
・上告が不適法&その不備を補正することができない→原裁判所は、決定で、上告を却下
・手形訴訟→証拠調べは書証に限定
4 憲法
・未決拘禁者の閲読の自由→障害が生ずる相当の蓋然性&必要かつ合理的な範囲→制限
・書留郵便物について、故意又は重大な過失まで免責又は責任制限→違憲無効
・外国旅行の自由→22条2項の「外国に移住する自由」によって保障
5 行政法
・「命令等」=法律に基づく命令と規則、審査基準、処分基準、行政指導指針(×行政計画)
・行政庁は、申請者の求めに応じ、申請に係る審査の進行状況を示すよう努める
・即時強制→自発的な退去に応じない・やむを得ない→必要最小限度の強制力を用い得る
・処分又は裁決の審査請求があったときの出訴期間=知った日から6ヶ月、裁決から1年
・指定確認検査機関の確認権限ある建築主事いる地方公共団体→行訴21Ⅰの「公共団体」
・裁決を命ずることを求める義務付けの訴え→処分の取消・無効確認できないこと必要
・民衆訴訟と機関訴訟は、法律に定める場合に、法律に定める者に限り、提起できる
6 刑法
・必要的減免と任意的減免→早慶、中、高従え、不死身釈迦
「罰しない」=早:心神喪失、慶:刑事未成年
「必要的減免」=中:中止犯
「必要的減軽」=高:心神耗弱、従え:従犯(身の代金目的略取等の犯人による解放)
「任意的減軽」=不:法律の不知、死:自主、身:未遂犯、釈迦:酌量
*過剰防衛・過剰避難=「任意的減免」、親族の犯人蔵匿等・証拠隠滅等=「任意的免除」、
・教唆者が被教唆者と共に教唆に係る犯罪を実行→正犯の単純一罪が成立
・あっせん収賄=不正な行為をさせ又は相当の行為をさせないようにあっせん
・逮捕と監禁=包括一罪
・公務員の名誉毀損→真実性の証明さえあれば罰しない(公共性と公益目的は擬制される)
・債権の譲渡人が譲渡通知前に債務者から弁済として受領した金銭を勝手に費消→横領
・質権者から質物の保管を委託された者が所有者に交付→背任
・262条「自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は配偶者居住権が設定されたものを損壊し、又は傷害したときは、前三条の例による。」
7 刑事訴訟法
・勾留状発付&貧困等→請求→国選弁護人(請求自体は勾留請求されていれば可能)
・軽微犯罪の勾留→住居不定の場合のみ可能
・(検証・鑑定としての)身体検査→直接強制○
・受訴裁判所内で受命裁判官が証人尋問→違法(ただし異議なければ瑕疵は治癒)
・逮捕された被疑者に弁解の機会を与える等するのは司法警察員(×巡査)
・私人による現行犯逮捕→検察官か司法警察職員に引き渡す(×事務官)
・身体検査令状の請求権者=検察官・検察事務官・司法警察員(×巡査)
・裁判官は、公判期日前の証人尋問に、被告人・被疑者・弁護人を立ち合わせること可能
・収賄の共同正犯の訴因→贈賄の共同正犯を認定=訴因変更が必要
・被告人の当該事件の公判準備又は公判期日における供述録取書→任意なら証拠にできる
・免訴判決事由→「駆け落ちごめん」
か→確定判決、け→刑の廃止、お→恩赦、ち→時効の完成
・公訴棄却判決→「里にて判決!」
さ→裁判権の不存在、と→取消し後の再訴事由の不存在、に→二重起訴、て→手続の違法
・公訴棄却決定→上記以外
・判決書は必ずしも判決宣告時に作成されていることを要しない
・略式→簡易裁判所、軽微事件(100万円以下の罰金又は科料、×懲役刑)
・簡易→被告が有罪と認めている
・即決→軽微明白(懲役又は禁錮の言渡し→全部の執行猶予)
・上訴の放棄or取下→書面による被告人の同意が必要
・原判決を破棄→差戻し又は移送が原則だが、直ちに判決できるなら自判も可能
・重大な事実誤認&著しく正義に反する→上告審は判決で原判決を破棄できる
8 一般教養
・選択チェックボックスにマークする!
・解き方
①英語
・英語力ではなく論理的思考力が問われていることを強く意識する
②前提知識を要する問題(前提知識あり)
・基本的にないと思った方がいい(あったらラッキー程度)
③前提知識を要さない問題
・論理問題や国語の問題(3問くらいあるはず)
・絶対に落としてはいけない→1問に10分以上かけてでも正解を出す
④前提知識を要する問題(前提知識なし)
・問題文の立て付けから現場で考えることができる問題を探す
=ルールが提示されている問題、選択肢中に一般常識に照らして明らかな誤りを含む問題
・選択肢の絞り込みで期待値を高める→二択に持ち込む問題を探し出す
・世界史、政経、地学基礎、化学、経済は二択に持ち込みやすい
↑一般教養については上記記事を大いに参考にしたので、こちらも併せて読んで下さい。
司法試験の成績
お久しぶりです。前提として、司法試験には合格していました。そして、今日は司法試験の成績が届いたので、それについて書きます。
・公法…45位くらい(憲法A、行政A)
・民事…90位くらい(民法A、商法A、民訴A)
・刑事…700位くらい(刑法C、刑訴A)
・経済…15位くらい
・短答…二桁前半
・論文…二桁後半
・総合…二桁後半
予想通りすぎる上に、今さら反省することもないので、書くことがないです…。強いて言うなら刑法が予想よりも悪かったですが、Cまでは覚悟していたので特に驚きませんでした。予備論文に引き続き、ざっくばれんには負けました笑。自分が何を答案に書いたか気になる方は、「司法試験の予想評価・雑感等」という記事を読んでみて下さい。
こんな感じですかね〜。司法試験の成績は結構正確に予想できたので、予備論文で再現答案を評価した方々(特に「これなら合格してる!」と言った方々)の成績も、正確だと嬉しいです。個人的に今一番不安なのは、司法修習の配属先です笑。まぁ、どこに配属されようとその土地を精一杯楽しもうとは思います。ちなみに愛犬は元気です!では、また何かの機会に更新するかもしれませんが、とりあえずさようなら!!