予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

予備試験論文合格に向けて

 こんばんは、アポロです。先ほど令和元年予備試験の民法・商法・民事訴訟法の答案を再び書き、最後の答案作成を終えました。そこで、論文試験まで最後のブログ更新をし、当日の注意点・科目ごとの意識すべきポイントをまとめます(あくまで自分のためのアウトプットです)。

 私の場合、合格する具体的なイメージはできているので、あえて不合格となるパターンを具体的にイメージします。そして、それを意識的かつ徹底的に避けることで、不合格になる確率を極限まで下げます。つまり、合格に繋がり得る要素を増やすのではなく、「不合格に繋がり得る要素を徹底的に排除する」のです。合格圏内にいる受験生としては、このような意識こそが、結果的には合格率の向上に繋がるはずです。

 

 

〜総論〜

 

①心の余裕を持つ。

 これは安定して合格する人の特徴だと思います。数日前から過度に緊張するわけでもなく、淡々といつも通りのことを繰り返す。当日さえも「流れ」で受け切ってしまう。そもそも、「本番だ!今日だけは頑張るぞ!」と思って受けた人が合格する試験ではないので、本番だから頑張ろうと力むこと自体に合理性がないです。「やる気・元気」という採点項目もありません。もちろん、このような余裕を持てるのは、「たぶん受かる」という根拠ある自信を持っていることが前提だとは思います。このように考えると、実力がある人が安定して受かるのは、「実力がある」という事実に加えて、このような「心の余裕」があるからだと言えそうです。

 

②本番は、何かやらかしても、さっさと切り替える。

 色んな合格者のお話を聞きましたが、皆さん本番で結構やらかしてます。ただ、それでも普通に受かってます。例えば、答案用紙に飲み物ぶちまけた、「検討不要」と書かれている事項を1頁以上大展開した、徹夜&高熱という死にそうな状態で受けた、などの話を聞きました。要は、「ちょっとした失敗くらいでは合否の結果は変わらない」ということだと思います。上記のような極めて異例な事態が起きても、受かる人は受かるのです。メンタル・体調・試験環境等で不安な要素があっても、その程度のことでは結果は変わらないと思います。現に私も慶應ロー入試の時は、教室の外で運動会みたいな超うるさい声が断続的に聞こえ、多少集中力が切れました。ただ、それが自分の成績に影響したとは到底思えません。何か起きても、「本番でこんなことあるんだな〜笑(あとで友達に話そう)」くらいの俯瞰で見れると良いのだと思います。

 

③問題文と素直にコミュニケーションする。

 これは最も気を付けたいポイントです。令和元年予備試験を一通り解き直して感じたのは、「数年前と比較して誘導・ヒントの数が非常に多い」ということです。憲法行政法では答案で使うべき事実の数は増えていますし、問いかけのバリエーションも増えています。刑法では「〜罪は書くな」という指示も増えています。民法・商法ですらも「〜は〜と思っている」的な記載が多く、請求や反論の根拠が暗示されていることが多いです。いくら実力があろうと、このような誘導・ヒントから外れた論述をすれば、(仮にそれが正しくても)実質0点です。実力者ほど本番でこのようなミスをしている方が多い気がします。これをやってしまうと日頃の努力を無に帰すに等しいので、これだけは絶対に避けなければなりません。答案に「×〜罪!」と書くなど、自分なりの工夫をして、徹底的にこのような失敗を回避します。

 

④わからない問題は「現場思考」と割り切る。

 10科目もあれば、必ずわからない問題があります。この時に一番根性が試されます。気持ちで負けたら終わりです。ただ、客観的に見て、自分は受験生全体の中で相当上位にいます。そんな自分がわからない問題を周りの受験生がスラスラ書いていることなど、通常あり得ません。例えば、統治・手形などが出題された時は、むしろチャンスなのです。なぜなら、一定数の受験生は、問題を見た瞬間に諦めるからです。そのため、問題文の事実に食らいつき、短答知識をフルで使えば、相対的に浮上できます。実際、現場思考で書いた答案ほど、答練や模試では上位でした。未知の問題・難問ほど「実力」で大きく差がつくと思います。

 

⑤途中答案だけは絶対回避する(実質途中答案も含む)。

 言わずもがな、一科目でも途中答案で出せば、相当に足を引っ張ります(もちろん、それだけで不合格にはならないが)。途中答案に陥る原因として、以下のものが考えられるます。

 ・難問が出たため問題分析に時間をかけすぎた←「どうせ皆わからない」と割り切って書き始める勇気があれば回避可能

 ・答案構成に時間をかけすぎた←答案構成は「本当に必要最小限度」に止めるという意識があれば回避可能(あくまで「地図」)

 ・特定の論点を厚く書きすぎた←「自分が詳しい論点が出た時こそ簡潔に書く」・「基礎は厚く、応用は簡潔に」という意識があれば回避可能

 ・他科目により時間が圧迫された←「あくまで総合評価だから特定の科目だけ頑張っても点数は伸びない」という当然のことを意識して割り切る勇気があれば回避可能

 

⑥色気を出さずに謙虚に答案を書く。

 これも個人的にはかなり気を付けたいポイントです。「上位合格」を掲げて勉強してきた私ですが、答案を書く際には、そのようなことは考えないように気を付けています。なぜなら、上位合格のための「光る答案」を書こうとすると、空回りして大失敗する可能性が上がるからです。合格するためには、採点者に「こいつ凄い!」と思わせる必要は全くないのです。予備試験論文は、数名の天才しか選ばれないオーディションではありません。多数派の解答筋に従いつつ、その中で採点基準に一つでも多くヒットさせる意識が大切です。それだけで、結果的には「光る答案」になります。また、特に民事系に関して言えば、A評価の答案は総じて「クール」という印象を受けます。淡々と条文に当てはめ、現場思考論点もあまり展開せず、典型論点は論証パターンを貼り付け、そこそこの当てはめをして終わりです。正直、読んでいてつまらないです。ただ、そういう答案ほど、筋を外さずに書けている結果、高い評価を受けているのは事実です。逆に、唐突に「信義則!」・「実質的に〜」等とゴチャゴチャ書いてる答案は評価が低い傾向にあります。特に去年の民事系は、一定の条文・一定の論点に言及さえしていれば、いずれも普通にA評価がきています。そして、今年もそのような問題が出る可能性は高いです。「天才アピール」は、予備試験・司法試験に受かってから、学術論文でも書くことでやりましょう。

 

⑦会場で答え合わせしてるやつは、大体間違ってるので、無視する。

 これは慶應ロー入試で実際に起きたことです笑。幸にも試験後でしたが、「民法・民訴は〜と〜出たよね!?簡単だったわ!」って言っているやつがいたんです。一瞬「マジか!」ってなったのですが、家に帰って問題文をよく読んだら、いずれもおよそ出てこない論点でした笑(それっぽい事情が問題文にあっただけ)。どんな試験場にもこういう奇行種はいるので、全力で無視しましょう。たぶんそいつは落ちてます。

 

 

〜各論〜

 

憲法…当事者の不満・国側の反論・立法事実・司法事実は全て使う!

 

②行政…問いかけの形式は死守!全ての論理は条文を使って説明する!

 

③刑法…検討不要な罪名は要チェック!メリハリを大切に!論理矛盾に注意!

 

④刑訴…捜査は、事実の抽出と評価が勝負!伝聞は、証拠構造(推認過程)をよく考える!

 

⑤般教…問題文を論理的に読み解き、無難な文章を書く!

 

⑥民実…準備書面問題が一番の得点源なので、少し考えてわからない問題はさっさと捨てる!

 

⑦刑実…事実認定が一番の得点源なので、少し考えてわからない問題はさっさと捨てる!

 

民法…複雑な事案は事実関係の整理で勝負がつくので、事実経過は慎重に確認する!

 

⑨商法…とにかく条文!わからなければ強引に進める!どうせ皆わからないから問題ない!

 

⑩民訴…「原則論→不都合性→修正」の流れで書くが、原則論の論述で勝負はついている!

 

 

 こんな感じですかね〜。再現答案については、伊藤塾に提出するため、ここに載せることはできません。ただ、10月31日・11月1日に辰巳の「論文試験大分析会」を受講するので、その後に雑感・予想評価等を書くつもりです。

 予備試験論文の2日間、最後まで頑張ります!そして合格します!