予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

東大ロー入試の結果発表

 こんばんは、アポロです。

 12月4日の13:00に東大ロー入試の結果が出ました。

 結果は、合格でした。

 そして、先ほど【筆記試験の得点】も送られてきたので、以下にそれを載せます。

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1が公法・2が民事・3が刑事です。合計は227.5点です。

 後述のように、民事で派手にやらかしたので、不合格でも文句は言えないと思ってました。なので、点数はさておき、合格していて良かったです。なお、これで私が慶應ローに進学する可能性はなくなりました。全額免除のローを蹴るのはもったいないですが、慶應は4年間満喫したので、進学するなら東大にします。

 参考までに、GPAは3.7、TOEICは970点です。志望理由は無難な内容で、一応ゼミ教授の推薦状も添付しました。これらも踏まえると、かなり上位の合格だと思われます。

 各科目の再現答案は伊藤塾に提出したので、ここに載せることはできません。なので、ここでは各科目の雑感についてだけ書きます。

 

 

 〜公法(74点)〜

行政法…仮の義務付けの当てはめ。要件の規範らしきものを示して、三段論法できますアピール。後はひたすら事情を拾い、結論としては肯定した。おそらく皆同じようなことを書くので、この設問では差がついてないと思う。

憲法泉佐野事件の判例射程問題。個人的に好きな論点であり、自信もあったので、とにかく事実を拾いまくった。行政法は0.5頁くらいに押さえて、残り1.5頁を最後の行まで書いた。終わった後は、ぶっちぎりで書けたと思った。

・80点は超えると思っていたが、そんなに甘くなかった。出題趣旨が出ないこともあり、なぜ得点が伸び悩んだのかはわからない。おそらく、行政法が薄すぎたのと、憲法の理解の甘さが随所に現れていたのだと思う。やはり、公法はよくわからない。

 

〜民事(70点)〜

・前提として、私はとんでもないミスをしている。なんと、答案用紙の裏面を上下逆に書いたのだ。最後の行まで書き、「以上」と書いたところでこれに気づいた。その時、既に試験終了30秒前だった。どう修正して良いかもわからず、結局そのまま提出した。なので、「裏面は0点でも文句は言えないな〜」と思い、帰ろうかとも思った。ただ、友達には「それくらいのミスなら採点されると思う」と言われたので、一応刑事まで受けた。この時点で「俺にはまだ予備試験がある」「俺には慶應ロー(全免)がある」と考え、東大ローはどうでもよくなっていた。そのため、刑事の答案は、マス目無視しまくった上にかなり汚い字で書き殴った(採点者の方、ごめんなさい笑)。来年以降東大ローを受験する方がいれば、答案の表と裏で上下が逆なので、マジで注意して下さい。私は結果的に裏面も採点されたようですが、受験後の精神的ショックは大きいです笑。

民法…まさかの法定地上権。とりあえず388条の要件に当てはめつつ、全体価値考慮説らしき論証を展開した。前段は成立しない、後段は成立するという結論にしたが、理由付けはテキトー。論証も普通に間違っていたので、かなり低評価だと思う(未だによくわかってない)。

・民訴…まさかの擬制自白。とりあえず条文を引き、丁寧に自白の内容を説明した。「擬制自白は拘束力がない」と不正確に理解していたため、当事者拘束力だけでなく、裁判所拘束力まで否定してしまった。不正確な知識による明確な間違いなので、低評価だと思う。

・商法…利益相反取引の典型的な問題。民事で唯一自信のある設問だったので、約0.8頁使って書いた(民法も約0.8頁・民訴は約0.4頁)。多くの受験生が普通に書いてくる設問だと思ったので、とにかく丁寧に書いた。この設問単体では高評価だと思う。

・裏面が採点されることを前提としても、60点前後だと思った。なので、70点もついたことに驚いた。法定地上権擬制自白は受験生全体の出来が悪く、結果的に利益相反取引の出来で勝負がついたのかもしれない。なので、商法を厚く書いた作戦は正解だったと思われる。

 

〜刑事(83.5点)〜

・刑法…過去問5年分と比較しても難しかった。受験生が引っ掛かりそうな落とし穴・論理矛盾を起こしそうなポイントがいくつかあった。何とかこれらを全て回避し、ほぼ正解筋で書けたと思う。

・刑訴…刑法で約1.5頁使ってしまい(「他人所有非現住建造物放火未遂罪」という長い罪名を何回も書いたので笑)、約0.5頁しか残されてなかった。そのため、マス目を無視しつつ、本当に必要最小限の内容だけ書いた。もう少しまともな事実認定をしたかった…。

・比較的難しい問題でも解答筋を外さなかったこと・終始論理的に書けたことから、80点は超えると思った。結果的に83.5点だったので、3科目の中で唯一手応えと結果が一致していた。刑法をもう少しコンパクトに書けば、刑訴の事実認定が充実し、もっと点数が伸びたと思う。

 

〜全体〜

・公法は守り抜き、民事で失敗し、刑事で挽回した。

・最後まで諦めないことが大切だということを学んだ。

 

 

 こんな感じですかね〜。東大ロー合格は素直に嬉しいですが、予備試験に合格した場合には進学しないです。ただ、予備論文合格発表まで1ヶ月以上もある現時点において、東大ローに合格できたことは精神衛生上かなり良いと感じています。なぜなら、①「東大ローに受かったなら予備論文にも受かっているのでは?」という気持ちになれることに加えて、②「万が一予備試験に落ちても東大ローに進学できる」という気持ちになれるからです。東大ローに落ちていた場合、残り1ヶ月以上がかなり辛かった気がします…。

 また、慶應ロー入試・予備論文・東大ロー入試を通じて、自分の得意科目・苦手科目がハッキリわかった気がします。具体的な感触は以下の通りです(東大ロー以外はあくまで主観)。

 慶應ロー…◎憲法・刑法・刑訴、◯民法、△商法、×民訴

 ・予備論文…◎刑法・刑訴・民法、◯憲法行政法、△民訴、×商法

 ・東大ロー…◎商法・刑法・刑訴、◯憲法行政法、△民訴、×民法

 これらによれば、まず、刑法・刑訴は全て◎です。次に、憲法行政法は全て◯以上です。最後に、民法・商法・民訴は毎回2科目が△以下です(民訴は全て△以下)。つまり、「刑事が得意、公法は普通、民事が苦手」ということが言えそうです。少し前までの自己評価では、民事と刑事が逆でした。勉強すればするほど、刑事が得意になり、民事が苦手になっている感覚があります笑。司法試験も、「刑事で稼ぎ、公法は守り、民事は耐える」という作戦で乗り切ろうと思います。

 さて、最近は口述対策・司法試験過去問・経済法の勉強をしているのですが、正直、あまり進んでいません。口述対策としては、基本刑法を読んだくらいです。司法試験過去問は、平成29年は全て解いたのですが、平成30年は行政法しか解いていません。憲法民法・商法・民訴・刑法については、「問題読んで『難!』となる→頑張って答案構成する→『これ絶対違くね?』となる→『間違った答え書き続けるの辛くね?』となる→答案書くのを諦めて解説等を読む」ということをしました。このようなやり方がダメなのはわかっているのですが、なかなか書く気力が起きません…。とりあえず、今日・明日・明後日は気分転換に経済法をやります。その後に平成30年の刑訴を解きます。司法試験の問題、難しすぎる…。