予備試験短答の攻略法
こんばんは、アポロです。「予備試験短答の攻略法について書いて欲しい」というリクエストがあったので、今日はそれについて書きます。
私は、令和元年の短答は150点(法律126点・般教24点)でしたが、令和2年では218点(法律188点・般教30点)を取ることができました。1年間でこれだけ点数を伸ばせた理由について、分析してみます。
前提として、短答の勉強方法については、多くの合格者が色々なことを言っていると思います。私自身、概ねそれらに賛同できますし、それらの共通点は多いと思います。つまり、私も特別な勉強をした訳ではないということです。なので、この記事を読んでも「それだけか」と思われる方もいるかもしれません。その点はご了承下さい。
〜令和元年の敗因〜
・一般教養科目の実力の過信→短答対策を始めるのが遅すぎた(約1ヶ月前)
・アウトプット偏重学習による知識不足→過去問に未出題の問題が解けない
・法的思考力が未熟→初見の思考型問題に対応できない
〜令和2年に向けて改善したこと〜
・2月から論文と並行して短答対策を始め、3月末には短答プロパーに切り替えた
・判例六法を使ったインプット学習の比重を増やした(条文素読など)
・具体的には、①過去問を解く→②間違えた条文の文言・判例の言い回しについて判例六法にマークする→③一段落したら判例六法を素読して未出の条文を含めてインプットする、ということを繰り返した
〜令和元年の使用教材〜
・基礎マスターテキスト
・予備試験短答過去問(主にソクタン)
〜令和2年の使用教材〜
・基礎マスターテキスト
・予備試験短答過去問(全部)
・新司法試験過去問
・判例六法
・マコタン
・答練
〜科目ごとの勉強スタイル〜
・基本的に科目ごとでやっていることは変わらないので、特徴的な点だけ挙げていく
・民法…改正前の過去問を使っていたため、逐一「これは改正後だとどうなる?」と考えてた。その結果、改正民法の条文にめちゃくちゃ強くなり、令和2年の民法で28点取れた(相続の問題だけ間違えた)。もちろん、こんな勉強を勧めるつもりはないし、私も司法試験に向けて改正版に買い替えた。大切なのは、「なぜこの条文(要件)があるのか?」などと常に考えることだと思う。解説に条文の趣旨が載っていたら、絶対に読むべき。字面だけ覚えても何とかなることも多いが、趣旨まで理解した方が記憶の定着に繋がるので、結局コスパが良い。
・商法…細かい条文も徹底的に理解しようとした。この努力は論文に直結する。実際、多重代表訴訟を理解できたのは、辰巳の短答模試で出題されて間違えた後、真剣に基本書(久保田先生のやつ)の該当箇所を読み直した時だった。細かい条文ばかりでうんざりするが、テキトーに放置するのはやめた方が良い(一部の超細かい条文は流石にスルーで良いが)。
・民訴…条文を読みまくった。シンプルな条文が多いので、素読もそんなにキツくない。
・憲法…判例知識を中心に復習した。意外と論文に役立つことも多かった。過去問は悪問も多いので、捨てる問題は大胆に捨てて良いと思う。
・行政…行訴法・行手法を読みまくった。これも論文に直結する。
・刑法…各論の条文・判例知識を詰めた。総論はほぼ何もしていない。学説問題については、解くのに時間がかかる割に再度の出題可能性が低いので、過去問でもスルーした(万が一再出題されても現場思考で何とかなる)。ただ、口述対策では学説問題を復習したし、司法試験対策では流石に解くつもりなので、時間があれば解いても良いと思う。
・刑訴…条文を読みまくった。素読は結構キツかった。
・般教…解き方のテクニックだけ何となく学んだ。誰かがブログに書いてた気がする。
〜勉強スケジュール〜
・2月から少しずつ短答対策をし、3月末に短答プロパーに切り替えた。しかし、すぐに延期されたため、4月下旬頃にまた論文に戻った。結局、7月から短答プロパーに切り替えた(例年でいう4月に相当)。短答が得意ではないなら、このスケジュールがオススメ。
・飽きっぽいので、科目ではなく、年度で区切っていた。つまり、1日ごとに年度を決めて、その年度の問題を全て解いていた。そして、夜は間違った箇所及びその周辺の基礎マスターテキスト・判例六法を読んでいた。たまに「民法の日」みたいのを設けて、マコタンを使って勉強した。
・朝から夕方までアウトプットして、夜はインプットするというのが自分のスタイルだった。これが最も合理的だと思う。
・直前期は、過去問・答練・模試・マコタンで間違えた箇所を徹底的に復習し、条文素読の時間も増やした。あと、よく間違うところをワードでまとめた。当日もこの自作レジュメを眺めていたが、かなり的中してビックリした。時間があるなら絶対作った方が良いと思う。
〜総括〜
・とにかく「理解」することが大切だと思う。ただ、「理解」には時間がかかる。だから、短答対策は早めに始めるべき。
・短答を勉強している時間は、論文の勉強ができなくて不安になるかもしれない。しかし、短答を極めて感じたのは、「想像以上に論文に直結する」ということである。予備試験の論文では、いわゆる短答プロパーの知識が普通に出題される。令和2年の論文でも、短答知識に何度も救われた。
・短答の勉強は口述試験に直結する。少なくとも自分の周りでは、短答の成績と口述の成績には強い相関関係がある。口述対策をしている中で、「短答を極めて良かった」と思う瞬間が何度もあった。それが物凄く精神的な支えとなった。短答で手を抜いて合格して口述まで行ったなら、必ず後悔すると思う。短答はオーバーキルすべき。
・個人的な感覚としては、予備試験の天王山は、短答だと思う。令和元年に短答に落ちた時、「入り口にも立てなかった」という気持ちでとても辛かった。自分には法的センスはないんじゃないかとも思った。「短答は簡単で論文は難しい」ということがよく言われているため、今まさにこのような気持ちの人もいるかもしれない。でも、何が難しいかは人によるのだから、「短答に落ちた」ということが法的センスがないことを意味しない。私の友人でも、私より遥かに頭が良いのに令和2年の短答に落ちた人がいる。短答に何回か落ちたとしても、それだけで諦めるのはもったいなさすぎる。
・この記事をここまで読んでくれている人の中には、令和2年の短答に落ちてしまった人も多いと思う。そんな人に言いたいのは、「あなたが令和2年の短答に落ちたのは、令和3年の論文に上位合格するための布石です」ということ。論文試験は、普通に勉強すれば、一発で上位合格できます。口述まで見据えて、今から短答を頑張って下さい!
こんな感じですかね〜。凄く上から目線で書いてしまいました笑。私自身もまだ司法試験の短答(憲民刑)が残っているので、コツコツ対策をしています。未だに短答への苦手意識は払拭できず、かなりビビっています。油断していたら普通に足切りを食らいそうなので、謙虚に対策していきます!