令和3年予備試験憲法
令和3年予備試験憲法の答案構成をしたので、私の雑感について書きます。
受験生のリアルな悩みを体験するため、私はこれを先入観が一切ない状態で解きました。また、このブログを書いてる現時点においても、何の文献も参照していません。しかも、私が法律の問題を解くのは2ヶ月ぶりです。そのため、以下の内容は多分に誤りを含んでいる可能性があります。その点はご了承下さい。
そもそも、これは正解筋の解説というよりは、「予備合格者でもこんなもんか」と知ってもらい、安心してもらうための企画です。私自身、令和2年予備論文ではいくつかの設問で解答筋を大きく外しました。そのため、今回もいくつかの設問で解答筋を大きく外している可能性があります。なので、以下の内容はあくまで参考程度に読んで下さい。
〜答案構成〜
第1 広告物
1 特別区域内で広告物を掲示する自由(21Ⅰ)を侵害し違憲か?
(1) 保障◯
(2) 制約◯
(3) 正当化?
ア 広告物を掲示することで営業利益を上げて自己実現できるbutあくまで広告にすぎないから民主政の過程に資することはなく自己統治の価値低い&歴史的環境がある特別規制区域における広告物の掲示は規制の必要性を内在する権利
間接的・付随的・内容中立規制but原則一律禁止で規制態様はそれなりに強度
中間審査基準
イ あてはめ
(ア)目的=歴史的環境の維持向上=重要
(イ)手段
適合性◯
必要性?→原則禁止で例外要件も厳しい&罰金刑→×
ウ ×
2 ×
第2 印刷物
1 特別区域内の路上で印刷物を配布する自由(21Ⅰ)を侵害し違憲か?
(1) 保障◯
(2) 制約◯
(3) 正当化?
ア 印刷物を配布することで自分の思想を流布して自己実現できる&政治的内容のビラ配りは民主政の過程に資するため自己統治の価値が高い場合もある&路上はパブリックフォーラムbut歴史的環境がある特別規制区域における印刷物の配布は規制の必要性を内在する権利
間接的・付随的・内容中立規制but一部例外を除いて禁止で規制態様はそれなりに強度
中間審査基準
イ あてはめ
(ア)目的=重要
(イ)手段
適合性?→歴史・伝統との関わりがある印刷物は歴史的環境を損なわないと言うが、歴史・伝統との関わりがない印刷物も同様に歴史的環境を損なわないはず(目的との関係では内容によって差異を設ける合理性なし)→これを規制しても意味ない→×
ウ ×
2 ×
(所要時間15分)
〜雑感〜
・難易度としては、例年と比べても普通だと思う。
・表現の自由というオーソドックスな出題なので、問題を見た瞬間に安心した受験生は多いと思う。ただ、この問題は決して簡単ではない。まず、構成が悩ましい。私は完全に2つに分けた。いずれも表現の自由という括りでは同じ人権だが、具体的な権利の内容が異なるためである。併せて書いてしまうと、個別の検討が雑になる気がする。
・広告物規制の方が拾うべき事実が多いので、答案の分量としては2:1くらいにしようと考えた。具体的に検討してみても、広告物規制は必要性が争点になるのに対して、印刷物規制は適合性であっさり切れるので、これで良いと思った。
・いずれの規制についても、審査基準定立までの論証にやや苦戦した。「自己実現」「自己統治」のようなマジックワードに逃げずにどれだけ具体的に書けるかがポイントだと思う。ただ、それでもやはり書きづらかったし、答案構成に書いてる内容が正しいのかもわからない。
・得点のポイントは、審査基準定立の過程だと思う。表現の自由という類型化しやすい人権大たので、安易にマジックワードに逃げずに具体的な人権に食らいつけるか・内容中立規制などの議論を適切に挟めるか・ビラ配りに関する判例を意識した論述ができるかなどで結構差がつくと思う。また、昨年同様、文章力で大きな差がつきそうな問題だと感じた。
・合否の分かれ目(C答案の基準)は、構成・結論を間違えないことだと思う。おそらく、「2つの人権に分けて構成し、広告物規制は過度なので違憲、印刷物規制は意味がなく違憲」という筋が想定されていると思う。もちろんこれ以外の構成でも説得力があれば良い評価がつくが、若干ハードルは上がる気がする。この構成・結論を間違えていなければ、よほど内容がスカスカでない限り、Cはつく気がする。これに加えて、事実をほとんど拾い、文章力があって説得的に答案をかけた人は、AやBがつくと思う。
こんな感じですかね〜。私自身は憲法はAだったので、そんなに変なことは書いてないと信じたいです…。何度も言いますが、あくまで勉強からしばらく離れた予備合格者が何も参照せずに自分の考えを書いてるだけなので、鵜呑みにはしないで下さい。おかしい記述もあると思いますが、これを題材に皆さん自身で考えてみて下さい。