予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

予備試験「延期」について

 こんばんは、アポロです。先日、「予備試験の延期が決定!」という衝撃的なニュースがあったので、今日はそれについて書きます。

 

 

1. いつ開催されるのか?

 これには様々な説があり(7月短答論文説・7月短答9月論文説・9月短答論文説)、正直わかりません。

 

 

2. 受験者のレベルは上がるのか?

 これはほぼ確実だと思います。去年の自分を思い返しても、あと3ヶ月も猶予があれば短答も普通に通っていたと思いますし、論文でも戦えるレベルにはなっていた気がします。つまり、「本来なら短答で散っていた層」の中から最終合格まで勝ち取る人が一定数出てくるはずです。言い換えれば、「本来なら最終合格まで勝ち取れた層」の中から論文で散っていく人も一定数出てくるはずで、それすなわち合格ラインが底上げされることを意味します。よって、例年よりは少なからず合格の難易度は上がると考えます。

 

 

3. 今何をすべきなのか?

 「試験日が未定」の状態で勉強しろというのは、ゴールまであと何キロか知らされないマラソンと同じであり、今は「異常な学習環境」と言わざるを得ません。しかし、一つ確実に言えるのは「短答試験を受けるのは3ヶ月以上先になった」ということです。この事実さえ理解していれば、今やるべきことは割と明白だと思います。

 

 ①手元にある短答の問題(過去問・答練等)を全て解く

 まずはこれをすべきでしょう。これはアウトプットをすべきだという意味です。なぜなら、一度アウトプットした知識は比較的長期保存される可能性が高いので、3ヶ月以上先の本番でも覚えていることが期待できるからです。また、ここで自分の苦手をあぶり出す作業をしておけば、「何を復習すべきなのか」が明確になり、直前期の復習の効率が格段に上がるからです。

 

 ②短答で2回以上間違えた箇所をまとめる

 このような作業は多くの受験生が直前期にやるはずですが、これは直前期ではない今やっても十分に効果が期待できます。なぜなら、結局これも「復習を効率化する作業」であり(まとめている過程で覚えるのは副次的効果)、「いずれやることになる作業」だからです。仮に、7月(又は9月)に短答と論文が両方実施されることになった場合、直前期にこのような作業をしている余裕はないかと思います。また、このような作業中は、「試験日が未定」という漠然とした不安から一時的に解放されるので、その意味でも今やることに意味があると考えます。

 

 ③上記①②が終わったら、論文で初見の問題を書く機会を増やす

 これについては、「本来の日程に向けて完璧に調整してきた」という人にのみ妥当します。自分も含めて、このような人にとっては、「予期せぬ空白」が生まれたことになります。つまり、この層の人たちは典型論点の論証くらいは諳んじて言えますし、論文も今すぐ受けても良いくらいに勉強しているはずです。それにもかかわらず、「短答まで3ヶ月以上」という時間が生まれたせいで、論文に関しては、何をやるべきか悩ましいところです。自分もすごく悩みました。

 そこで、毎日1通、論文で初見の問題を書くというのはどうでしょうか(e.g.他予備校の答練や司法試験の過去問)。なぜ復習ではなく初見なのかと言うと、本気で勉強してきた人ならわかるはずです。今この時期に論証を覚えたり何十回も答案構成をした問題を見返しても、「論文試験本番との関係で」学習効率が悪いからです。本来なら、「この時期に短答しか勉強しなくても受かる」という調整で勉強してきた人間にとって、この時期にそのような勉強をする必要性は低いはずです(ないとは言いませんが)。それよりも、「現場対応力」や「論述力」といった普遍的な能力を維持・向上させることに注力すべきだと考えます。そして、その過程で忘れている箇所があれば愛用の演習書の該当箇所を復習することになるので、このやり方で全く問題ないかと思います。

 よく、「学習教材は手を広げないことが大事」という言葉を聞きます。しかし、少なくとも私の周りで「上位で」受かっている方々は、比較的手を広げていた気がします。そう考えると、この言葉はおそらく不正確です。正確には、「直前期には、愛用の教材が完璧でない者は、復習が追いつかない可能性があるため、手を広げないことが大事」ではないでしょうか?

 

 

 こんな感じですかね〜。私自身、「予備試験の延期が決定!」というニュースには驚きましたし、計画変更も余儀なくされました。しかし、結局これも考え方次第かと思います。この延期がなければ出会えなかった問題、この延期がなければ知らなかった判例や条文、この延期がなければ気づかなかった弱点など、今後たくさん出てくるはずです。そして何より、法曹を目指す者である以上、この程度の変化には柔軟に対応できることが求められているはずです。そういう意味では、今年の予備試験に合格すれば、例年以上に市場価値が上がるのではないでしょうか?こうなってしまった以上、このようにとにかく前向きに考えるしかないです。

 この決定を受けて不安になっているのは、合格に近いところにいるからだと思います。今年合格すれば、一生語れる思い出になります。共に頑張りましょう!