予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

コンプリート論文答練 刑事訴訟法 第5〜8問

 こんにちは、アポロです。

 先ほど『コンプリート論文答練 刑事訴訟法 第5〜8問』の答案が返却されたので、その反省と今後の勉強の指針について書きます。

 

〜第5問…49点(推定A)〜

 ・共同逮捕という構成に全く気づかなかったので、これを機にストックする

 ・「明白性の判断に第三者の供述を用いることができるか」についての論述が甘かった(被害者の供述のみによって明白性を認定することはできない、という立場を取れば共同逮捕に流せた)

 ・ここに来て過去最高得点だったのは地味に嬉しい(当てはめを死ぬほど頑張りました)

 

〜第6問…35点(推定A)〜

 ・設問1の「職務質問に伴う有形力行使」は、警職法2条3項を使った論証に変更することにした。論マスでは、「比例原則→必要性と相当性」という規範で習ったが、これはダメな論証らしい笑(山本講師は「必要性要素と相当性要素を分断しない」と述べており、『事例演習刑事訴訟法【第2版】』を参照してもそれが妥当だと感じました)

 ・設問2は、「行政警察活動から司法警察活動への移行」という点を理解していなかったため、ズレた論述になった。捜査が開始→本件留め置きが「強制の処分」たる実質的逮捕に当たれば令状主義に反して違法→「強制の処分」の意義が問題、という流れで書くべきところを、「職務質問に伴う有形力行使」という枠組みで検討してしまった。最決平成6年9月16日でかかる留め置きが問題となったことは当然知っていたが、なぜ違法とされたのかを理解していなかった。具体的な反省としては、本問のような職務質問が絡む事案では、「行政警察活動と捜査の区別」を意識して明確に書き分ける必要がある。抽象的な反省としては、百選に掲載されているような判例は、「なぜ問題となったのか、どのような論理で違法・適法となったのか」を正確に理解しているか確認する必要があると感じた(わかっているようでわかっていないことが少なくない)

  

〜第7問…34点(推定B)〜

 ・初回接見は、論証と当てはめが共に微妙だった。論証については、肝心の規範部分をやや雑に書いてしまい、減点された。当てはめについては、「Qは協議しようとしており義務は果たしたといえる」というポイントを書けていないし、「確かに協議していない But 必要性・緊急性高い&Aには帰責性あり→39条3項但書に反しない」という感じになっている。これでは価値判断と比較衡量をゴリ押ししただけで、規範に対して当てはめが暴走している(三段論法になっていない)。問題文の事情を拾って書いているつもりでも、個々の事情が「規範との関係でいかなる法的意味を持つのか」という評価の姿勢が欠けていると感じた。

 ・被告人取調べの可否・限界は、論証としてストックしていなかったので、何となくしか書けなかった。すなわち、「被疑者」(198条1項)や当事者主義(256条6条、298条1項、312条1項等)という条文に言及できなかったし、「第1回公判期日前であり、かつ、強制の要素が払拭」という規範も知らなかった。単純な知識不足なので、ストックするしかない。

 ・起訴後の余罪捜査と接見指定の可否は、当てはめが不十分だった。すなわち、「接見の目的」について言及せず、適法という結論にしてしまった。もっとも、これが「不当な制限」といえるか否かの判断には少なからず実務的な感覚が必要なので、仕方ない気もする。

 

〜第8問…25点(推定D書き直し)〜 

 ・設問1は、伝聞についての理解不足でいずれも結論を逆にしてしまった。本番でやったら一発アウトのレベルのミスなので、本当に反省している。伝聞が苦手なことはこの問題で確信したので、急いで『伝聞法則に強くなる』を購入した。一読しただけでまだ理解できていないことも多いので、短答後にもう一周する予定である。そして、過去問や答練で演習を積むことも怠らず、伝聞を早めに克服する必要がある。

 ・設問2は、「同一人による自己矛盾供述に限られる」という点に簡潔に触れるべきだった(実益はないが超有名論点なので)

 

〜総括〜

 ・捜査はよく書けているが、相変わらず証拠はひどい結果となった

 ・当てはめの方向性がズレることが多く、実力不足を痛感した

 

〜今後の勉強の指針〜

 全体的に、「規範はよく書けているが当てはめが微妙」という答案が多い。当てはめが薄いというより、厚く書いてはいるが方向性がズレている答案が目立つ。特に「初回接見」や「伝聞法則」といった超重要論点でこれが起きているのは問題である。前者はアウトプットレベルの問題なので、直前答練等を通じて修正する必要がある。後者は完全なる理解不足なので、「自分は伝聞が苦手である」という現実を受け止めた上で、『伝聞法則に強くなる』等でしっかり補強する必要がある。短答後は証拠の弱点補強を中心に底上げをしていく。

 

 こんな感じですかね〜。全8問の平均が31点(推定B)で、目標の35点(推定A)には4点届きませんでした。全科目で平均点が最低となってしまいました。刑訴は特に苦手意識がなかったので、驚いています。しかし、これだけミスを繰り返してひどい点数を連発した以上、少なくとも得意科目ではないことは客観的に明らかなので、しっかり現実と向き合っていきます。

 

 これで、コンプリート論文答練の答案が全て返却されたことになります。なので、その総括について、別の記事で書きたいと思います。