予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

TKC司法試験 全国統一模試

 こんにちは、アポロです。

 先ほど『TKC司法試験 全国統一模試』の答案が返却されたので、その反省と今後の勉強の指針について書きます。

 

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論文で失敗しましたが、余裕で合格圏内でした。

 

〜前提として〜

・この模試の評価はかなり厳しく出ている。というのも、上位10%以内に入らなければA評価・判定は出ないようになっているが、本試験ではそのような評価のされ方・合否の決め方はされていないからである。本試験では、科目別では上位1000人までがA評価をもらえ(昨年だと上位約35%)、試験自体の合格率は約40%である。

・よって、この結果を参照する際には、科目ごとの評価・判定よりも、「上位◯%」という部分に着目すべきだと考える。この数値は本試験との乖離が少ないはずであるし、より具体的に自分の相対的実力を知れるので有益である。ただ、本試験なら短答で足切りされている人も採点対象にされているので、本試験よりも良い数値が出ている可能性がある。

・また、この模試の母集団は、本試験よりも若干レベルが高いことが予想される。というのも、本当に実力がない人や不安な人は、この時期に模試を受ける気にならないはずだからである。あとは模試特有の事情として、少なからず不正をしている人もいるはずである(在宅受験が多い今年は尚更である)。

・問題の質としては、思ったよりは本試験に近かった気がする。おそらく意図的に事務処理量の多いように作られていたが、それは本試験でも求められる能力といえる。(予備校特有の)マイナー論点をしつこく聞いてくる感じもなかった。そのため、この模試と本試験の成績の相関性はそれなりにあると思われる。

・以上より、この模試の成績を分析する際には、①本試験よりも若干レベルが高い母集団の中で、②自分は上位何%だったのか、という視点が重要になる。

 

憲法〜 予想はC→結果はB(上位13.7%)

・「公共の福祉による制約→明確性の原則」という流れで論じた(体系レベルのミス)

・「自己の見解と異なる立場」からの論述が、理由がないことも多く、全体的に雑だった

・分析的に検討できず、3条1項と2項を明確に区別せずに論じてしまった

・「法令違憲の中で合憲限定解釈をする」という発想がなく、適用違憲っぽく書いてしまった

 

〜行政〜 予想はB→結果はD(上位53.4%)

・設問1は、結論は合っていたものの、知識不足で理由をテキトーに書いたたため、減点された

・設問2(1)は、公表に関する条文を見つけられず、最重要の事実を落とした

・設問2(2)は、裁量基準を論述する流れが悪い上に、的外れな反論をしてしまった

・設問3は、職権取消しに当たるとの認定をし忘れたが、撤回との区別のためにすべきだった

 

民法〜 予想はC→結果はB(上位21.0%)

・設問1は、取消権者や時効の条文を落としたし、現場で引いた条文の要件検討も甘い

・設問2(1)は、本問の特殊性に全く気づかなかったが、仕方ない(合否には影響しないはず)

・設問2(2)は、信義則という単語も出さずによくわからないことを書いた(ここは頑張れた)

・設問3は、JR東海事件の理解不足により、少しズレた論述をしてしまった

 

〜商法〜 予想はC→結果もC(上位32.9%)

・設問1(1)は、423条3項を落とした結果として大きく失点したので、とても反省している

・設問1(2)も、428条2項を落とした結果として大きく失点した

・設問2は、「Yは原則として丙に対して請求できない」という大前提を書き忘れたので、反省

・設問3(1)(2)は、現場思考で逃げ切れたが、手続や条文の趣旨はもう少し正確に書きたかった

 

〜民訴〜 予想はB→結果もB(上位23.7%)

・設問1は、権利自白に気づかず少しズレた論述をしたので、権利自白には要注意

・設問2課題1は、特に問題なし

・設問2課題2は、積極的釈明という論点の理解が少し甘かったので、復習する

・設問3は、特に問題なし

 

刑法〜 予想はA→結果はC(上位37.8%)

・設問1は、論じる実益がないと勘違いし、公務振り分け説を雑に書いてしまった

・設問2第1暴行は、これも論じる実益がないと勘違いし、共同正犯の要件をスルーした

・設問2第2暴行は、抽象的事実の錯誤の論述が雑(というか不正確)だった

・設問3は、時間不足に陥り、前提として論じるべき共謀の射程をスルーした

 

〜刑訴〜 予想はA→結果もA(上位5.6%)

・設問1小問1は、書き方にやや苦戦したが、知識を絞り出して何とか書けた

・設問1小問2は、途中までよくわからず、現行犯逮捕が可能だったことへの評価が雑になった

・設問2は、要証事実の設定を間違い、やはり伝聞は難しいと感じたので、復習する

・設問3は、特に問題なし

 

〜経済法(第1問)〜 予想はA→結果はB(上位16.2%)

・設問1は、一般論に終始している部分があり、具体的事実を使いこなせていない

・設問2は、設問1でダラダラ書いたせいで紙幅不足に陥ったので、もっとコンパクトに書く

 

〜経済法(第2問)〜 予想はB→結果はA(上位1.0%)

・設問1は、市場画定と競争制限効果の検討が雑になった(再販売価格拘束は雑になりがち)

・設問2は、自由競争減殺も競争の実質的制限も認めたが、間違っているらしいので復習する

 

〜総括〜

・短答のおかげで総合成績は良いが、論文の成績(特に民事系)は酷い

・予想よりも大幅に評価が悪かった行政法は要注意な科目といえる(予備論文の悪夢が…)

行政法は、「重要な条文・事実の摘示」や「裁量論の流れ」という部分で失点している

・経済法・短答は、時間を割いてきた分の成果が出てきたので、これからもコツコツ継続する

 

〜今後の勉強の指針〜

・とにかく「穴をなくす勉強」をする

・定義・論証を徹底的に暗記する

・自説を確認し、ブレないように気を付ける

・予備試験や新司法試験の過去問等に既出の論点は、当てはめレベルまで確認する

 

 

 こんな感じですかね〜。母数を単純に2.5倍すれば220位くらいの成績になります。上位合格とは言えない成績ですが、とりあえず安心しました。というのも、個人的に「論文で大失敗した」と思っていたので、それでこの成績だったということは、よほどのことがない限り本番も落ちない気がするからです。当初は「司法試験でも無双するぜ!」という感じでしたが、最近は「まぁ、受かればいいや」という気持ちになってます笑。その原因は、単純に法律だけを勉強する日々に飽きてきたこと、言い換えれば、司法試験後の日々が楽しみすぎるということにあります。とはいえ、油断をすれば普通に落ちかねないので、残り期間は基礎・基本の復習に徹しようと思います。勉強の強度を落とすべき時期だと思うので、リラックスしながら網羅的な復習を繰り返します。