予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

令和3年予備試験法律実務基礎科目(民事)

 令和3年予備試験法律実務基礎科目(民事)の答案構成をしたので、私の雑感について書きます。

 受験生のリアルな悩みを体験するため、私はこれを先入観が一切ない状態で解きました。また、このブログを書いてる現時点においても、何の文献も参照していません。しかも、私が法律の問題を解くのは2ヶ月ぶりです。そのため、以下の内容は多分に誤りを含んでいる可能性があります。その点はご了承下さい。

 そもそも、これは正解筋の解説というよりは、「予備合格者でもこんなもんか」と知ってもらい、安心してもらうための企画です。私自身、令和2年予備論文ではいくつかの設問で解答筋を大きく外しました。そのため、今回もいくつかの設問で解答筋を大きく外している可能性があります。なので、以下の内容はあくまで参考程度に読んで下さい。

 なお、法律実務基礎科目はある程度一義的な正解が存在する科目である以上、この記事の需要はあまりないと思われるので、本当に簡単な雑感だけ書きます。 

 

 

 

〜雑感〜

 

・難易度としては、例年と比べても簡単だと思う。

 

・設問1(1)(2)(3)については、大島本等に正解が載ってるはずであるし、私も正確な言い回しを覚えている自信がないので、割愛する。(4)(ⅰ)については、弁済済みとして控除した5万円を支払ったと主張したところで請求原因との関係で何の意味もないので、主張自体失当だと思う。(ⅱ)については、一部弁済として権利の承認がなされ、時効が更新されるという意味を有するのだろうか。ただ、時効が争点になりそうにもない事案なので、正直ここはあまり自信がない。

 

・設問2については、前者は481条1項等によって弁済禁止効があるのに対して、後者は423条の5によって弁済禁止効がないというだけの設問だと思う。これはあまりに有名な改正条文なので、瞬殺できないとまずい問題。ちなみに、423条の5は民法学者が残した「地雷」と言われているらしい。要は、債権者代位訴訟をできるだけ使わせない方向で学者の意見は概ね一致していたので、何とかこの条文をねじ込んだということらしい。学者vs実務家の争いは面白い。

 

・設問3(1)(ⅰ)についても、上述の理由で割愛。(ⅱ)については、債務者対抗要件が具備される前でも債権譲渡自体は有効であり、債権譲渡を債務者側から認めることには何ら問題はなく、Xはもはや債権者ではない、というだけだと思う。(2)については、622条の2第1項1号により、甲建物の明渡し前である現時点においては法的に成立し得ない主張、というだけだと思う。

 

・設問4については、①本件契約書のY作成部分の成立の真正の否定、②5万円の支払は甲建物の賃料であることの否定、③Xの不自然な挙動、という流れで私なら大枠を設定する。これに加えて、相場の3分の2の賃料は不自然な程安いことにも言及しても良いかもしれない。①について、まずは賃借人欄の氏名はXの筆跡であるという争いのない事実を指摘し、二段の推定に簡単に触れ(実際の準備書面ではもちろん触れないが試験では触れた方が無難)、一段目の推定を覆す事実(Xは週2日Y宅に行っていたので印鑑の場所を知っていたこと・YがいないY宅で子どもの面倒を見てたこと)を指摘し、さらに三文判は証明力が著しく弱いのにXはそれを補強するような事実を何ら主張していないことを指摘する。②について、Yの主張をそのまま書き写せば良い。③について、Yの経営が苦しいわけでもないのに賃貸してから半年近くも賃料を一度も請求しないことがいかに不自然であるかを指摘し、これはXの娘であるYの妻とYが不仲になった時期と重なることも指摘し、半年後に突然賃料をまとめて請求するような不自然な挙動は「妻の親としての復讐」的な動機に由来しているという事実が推認されることを指摘する。なお、Yが妻と別居したかどうかはXが判断することではない気がするし、不仲になったという本質的に重要な事実までXが争っているようには読めないので、別居云々の議論はスルーして良いかもしれない(余裕があれば簡単に言及する程度)。

 

 

 こんな感じですかね〜。昨年は民事実務で失敗してBしか取れなかった私ですが、今年の問題は去年よりは自信があります。何度も言いますが、あくまで勉強からしばらく離れた予備合格者が何も参照せずに自分の考えを書いてるだけなので、鵜呑みにはしないで下さい。おかしい記述もあると思いますが、これを題材に皆さん自身で考えてみて下さい。